【テツ旅、バス旅 131】碓氷峠のトロッコ列車 鎌倉 淳


 群馬県の高崎駅から信越線の電車に乗ると、30分ほどで終点の横川駅に到着します。この先は碓氷峠で、かつては軽井沢へ向けて路線が続いていたのですが、1997年の長野新幹線開業にあわせて、廃止されてしまいました。

 ただ、線路は一部で残っていて、横川駅近くの「碓氷峠鉄道文化むら」から、トロッコ列車に乗ることができます。廃止された信越線軽井沢方面の下り線を利用した観光列車です。

 4月下旬に訪れてみました。文化むらの入場口横に乗り場があります。オープン型客車と普通客車の2両編成で、機関車による推進・けん引です。

 出発すると、ゆっくりとした速度で、廃線区間を進んでいきます。この区間には、かつて特急「あさま」や「白山」が走っていました。長野新幹線開業前に乗車したときの記憶が、脳の底から蘇ります。

 線路の左右は深い森です。木陰には鹿がいて、樹上には猿の姿も見えます。観光鉄道とはいえ、これだけ大自然に接する列車も珍しいでしょう。

 途中、国の重要文化財である旧丸山変電所前で停車。レンガの建物がたたずんでいます。内部には入れませんが、周囲を散策できます。そこから碓氷峠入り口の急勾配を登り、終点、峠の湯駅に至りました。日帰り温泉施設の最寄駅です。

 信越線の碓氷峠区間が廃止されて30年近くがたちますが、今も当時の軌道がきちんと手入れされ、列車が走り続けていることに、改めて驚かされます。この先も、線路の構造物はおおむね維持されていて、碓氷第三橋梁(めがね橋)などを世界遺産にしようという動きもあるそうです。

 出発地となっている碓氷峠鉄道文化むらの園内も歩いてみます。横川機関区の跡地に開園した施設で、国鉄時代の貴重な車両が多数展示されています。一部では車内や運転台にも入れます。とくに、お座敷列車の車内が開放されているのは珍しく、驚きました。

 ただ、全体として施設は老朽化していて、手入れの行き届いていない車両も見受けられます。そろそろリニューアルが必要な時期にも感じられました。

 実際、リニューアルの検討も進められているようです。隣接する横川駅付近に道の駅を新設し、文化むらと一体的に整備する案が公表されました。

 詳細は明らかではありませんが、貴重な鉄道遺産が維持されるのであれば、応援したいところです。

(旅行総合研究所タビリス代表)

 
 
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