ホテル・旅館専門の総合エンジニアリング会社のタップは、宿泊・観光産業に特化した世界初の実証実験宿泊施設「タップホスピタリティラボ沖縄(=THL)を2023年6月、沖縄県うるま市に開設した。タップ・ホスピタリティサービス工学研究所フェローの黒川崇裕氏に話を聞いた。
「THLでは宿泊施設でのロボット活用を目的に、清掃ロボットや案内ロボット、デリバリーロボットの実証実験を行っています。特に複数メーカーのロボットが共存し干渉しないようにするための制御技術や規格の策定に取り組んでいます」と語る黒川氏はパナソニックの出身。産業用ロボット開発の経験を生かし、宿泊業界の人手不足解消にロボット技術を活用することに注力している。パナソニック時代は、ロボティクス・アクセシビリティプロジェクトの主幹技師として、例えば段差の解消など、ロボットが働きやすい環境整備を進めることで、人にも優しいユニバーサルデザイン(UD)を実現するプロジェクトを推進。東京五輪では同社のパラリンピック統括部主幹も務めた。
「ロボット技術とユニバーサルデザインの考え方は相似しています。ロボット活用は生産性向上だけでなく、障害者や高齢者にも優しい宿泊施設、社会をつくることにもつながるのです」と同氏は強調する。
またTHLでは、生体認証技術である「顔認証」を導入。宿泊のチェックインや部屋の入室、無人コンビニの決済にも活用している。「タップのPMS(ホテルシステム)は、予約、認証、決済などの全てを接続、統合管理することができます。ルームサービスロボットやリネン運搬ロボットなどもPMSとリンクさせることで、効率的に運用することができるように実証実験を重ねています」(同氏)。

タップの黒川氏





