先日、小諸に出かけた。地元情報誌に、犬同伴OKのレストラン特集があり、そこに掲載されていた店に、GW中だからと慌てて予約の電話をしたので、店の概要もよく調べていなかったが、行ってビックリ。
店内は、モーニングから通し営業している、イタリアンの「GK(グロワーズキッチン)」、ランチとディナー営業の「KOMOJIN羊と牛の焼肉店」、そしてわれわれが予約した、夜営業のみの鉄板焼レストラン「Shu」の3店舗に分かれていた。通されると、そこは何と、完全なプライベート空間。6席の個室で、シェフが私たち家族5人のためだけにお肉を焼いて下さるなんて♪ しかも、ワンコも同席できて超スーパー幸せ!
時刻は17時。重厚な黒の大理石のカウンターテーブルの向こうに、横長に切り抜かれた窓からは、八ヶ岳や日本アルプスの稜線が見える。飯綱山公園内の小高い丘に位置する同店、ちょうど木々の緑とブルーの影が重なってきて、まるで絵のような美しさ。
さらにオドロキだったのは、同施設を経営しているのがワイナリーだったこと。「STARRACE KOMORO(スタラス小諸)」は、「農業で人と人をつなぎ、ふれあいを生み出す」をコンセプトとしたワイナリー・ショップ棟とレストラン棟を兼ね備える複合施設だったのだ。運営会社株式会社Greve(46)t(グレーべ)は、耕作放棄地をブドウ畑への蘇らせることで、小諸市に新しい風景を作ることを目指し、ワイン造りを始めたという。そして何と、当日サービスを担当して下さったのが、同社取締役で、Komorokko Farm&Winery栽培醸造家で、ソムリエでもある小舟睦巳氏。醸造責任者として忙しく、店に出ることは滅多にないという同氏に会えたのは、超ラッキー♪
ワインメニューを拝見すると、ボトルワイン全てに「生産者」として彼の名が明記されていた。まずは、2024年のシャルドネをオーダー。「en(46)」と名付けられたこのシャルドネは、全体量の38%にあたる果皮をステンレスタンクに戻し、約2週間マセラシオン(発酵過程で果皮などを果汁に浸すことで、香りや味わいなどさまざまな要素を醸すこと)した後、コンクリート・エッグと呼ばれる卵型のコンクリートタンクで、約5カ月間熟成。その間澱(おり)と接触させる「シュール・リー」製法のため、ワインの味に複雑味や厚みが出る。
実はこのコンクリート製のタンク、最近見直されているのだとか。1960年代に登場したステンレスタンクが、衛生管理や温度管理の容易さから世界的に普及するとともに、コンクリートタンクは激減。だが、外気温の影響を受けにくく、微量に酸素が供給されることで、味わいに奥行きが出るとして再注目された。また、卵型の場合、上下の温度差によって内部で自然対流が起き、澱が沈殿しないためうまみが引き出されるという。コンクリート・エッグのパイオニア、仏ノンブロ社のタンクが6基もあるのだからスゴイ!
続きは次号で♪
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




