ホテル事業が牽引、稼働率88.4%・ADR1万3453円で増収増益 ロイヤルホールディングス1Q決算


阿部正孝社長

 ロイヤルホールディングス(代表取締役社長 阿部正孝氏)は5月15日、投資家向け2026年12月期第1四半期IR説明会を開いた。同四半期(1月〜3月)の売上高は405億8500万円と前年同期比5.8%増で過去最高を記録。グループ全体では各種コストの上昇や海外新規出店に伴う初期費用が重荷となり営業利益・経常利益ともに減益となったが、ホテル事業は稼働率・客室単価(ADR)ともに前年を上回り、増収増益を達成した。

インバウンド比率28.5%、稼働4ポイント上昇

 ホテル事業の第1四半期(1月〜3月)の売上高は101億3500万円と前年同期の91億6400万円から9億7100万円(+10.6%)増加した。経常利益は13億9200万円で、前年同期の10億8000万円から3億1100万円(+28.9%)の大幅増益。通期計画438億円に対する進捗率は23.1%、経常利益の通期計画71億円に対しては19.6%の進捗となっている。

 直営ホテル全体の稼働率は88.4%。前年同期(84.8%)を3.6ポイント上回った。ADR(純客室単価)は1万3453円で、前年同期(1万2675円)から778円の上昇。対象となる直営ホテルはリッチモンドホテル43棟とTHE BASEMENT HOTEL 1棟の計44棟だ。

 月次で見ると、稼働率は1月が90.5%、2月が89.8%、3月が83.5%。ADRは1月が1万4030円、2月が1万4022円、3月が1万2266円だった。前年同月との比較では、1月の稼働率が前年の79.7%から90.5%へと10.8ポイント上昇。ADRも前年1月の1万3975円から1万4030円へと上昇している。2月の稼働率も前年87.9%から89.8%へ上昇し、ADRは前年1万2751円から1万4022円に伸長した。3月の稼働率は前年80.5%から83.5%へ上昇し、ADRは前年1万2782円から1万2266円とわずかに低下したが、稼働率の伸びが全体をカバーした格好だ。

 インバウンド宿泊比率は第1四半期累計で28.5%。前年同期の24.9%から3.6ポイント上昇した。月次では1月が28.8%、2月が27.3%。3月は詳細数値が示されており、前年同期を上回る水準を維持している。

リッチモンドホテルが既存店売上高前年比109.5%

 事業ライン別に見ると、リッチモンドホテルの第1四半期売上高は101億3500万円、経常利益は16億円。前年同期(売上91億6400万円、経常12億9300万円)から売上で9億7100万円、経常で3億700万円それぞれ増加した。ホテル本部の経常損益は前年の△2億1200万円から△2億700万円へと500万円改善している。

 既存店ベースでの前年比は、リッチモンドホテル全体が第1四半期累計で109.5%。月次では1月107.2%、2月110.4%、3月110.7%と、3カ月連続で前年を上回った。ホテルレストランの既存店前年比も際立っており、1月144.2%、2月148.9%、3月138.8%で、第1四半期累計では143.6%に達した。

 説明会では阿部正孝社長が「稼働をしっかり取ることができた。エリアにつきましても約800円近くの上昇をしている」と述べた上で、「海外の宿泊比率が前年よりもポイント高い。稼働が4ポイント高いうち、海外の方も4ポイント高い。しっかりと海外の事業に応えることができた」と強調した。

中国春節の壁を越え、他国・他地域の需要が堅調

 中国からの渡航自粛については、「引き続き、中国からの日本への渡航自粛が続くものの影響は限定的。他国・他地域からの需要は堅調」と説明会資料に明記された。

 阿部社長も「ホテル事業はノシコトグラフの方でお示しするが、しっかりと中国の春節のところの懸念はあったと思う。順調に乗り越えることができた」と述べ、国内外の観光需要を着実に取り込んだことを確認した。

 年間の稼働率・ADRの長期推移を見ると、コロナ前の2019年が稼働率90.8%・ADR9853円。コロナ禍で2020年は稼働率70.4%・ADR8060円、2021年は53.7%・ADR6632円と大幅に落ち込んだ。その後、2022年は75.2%・ADR7058円、2023年は80.5%・ADR6633円、2024年は87.9%・ADR1万2675円と回復が続き、2025年は90.8%・ADR(同期間比較)と記録。2026年第1四半期は稼働率88.4%・ADR1万3453円で推移している。

館内レストランのリニューアルと客室改装を推進

 ホテル事業では宿泊体験価値の向上に向けた投資も継続している。リッチモンドホテル青森では4月10日、リッチモンドホテルにおける25店舗目の直営レストランをオープンした。青森の名物料理「貝焼き味噌」など、客自身が仕上げる小鍋仕立ての料理を用意。ライブキッチンでは十三湖産しじみを使用した「しじみラーメン」や津軽地方に伝わる名物料理「いがめんち」、季節の食材を使用した「天ぷら」を出来立てで提供する。

 リッチモンドホテル那覇久茂地では7月12日に全客室を禁煙室に変更するほか、共用部の改装と空調更新を実施する予定だ。「新しさ×清潔感×高級感」を視覚的に訴求できる意匠への刷新を目指す。

 ラグジュアリーホテルブランドとして展開する「ロイヤルマイナーホテルズ」については、2035年までに21棟の開業を目標に掲げる。2025年7月にはリストデベロップメント株式会社と軽井沢での「Anantara Karuizawa Retreat」に関するホテルマネジメント契約を締結しており、2030年の開業が決定している。

 また、双日・アクタスと協業して誕生した新ホテルブランド「THE BASEMENT HOTEL」の1号店(大阪本町、2025年4月開業)は、開業以降2026年3月末までの累計稼働率が85%超を達成していることが報告された。

ホテル本部費用の内訳を開示、営業開発部隊を増強

 説明会の質疑応答では、ホテル本部の費用構造について出席者から質問が出た。阿部社長は「ホテルの予約の取り合わせのコールセンター、あとはグループでホテル全体を管掌する部門、物件を開発する部分、その辺の機能がここに入っている」と説明した。

 建築費の高止まりによる新築開発の難しさについては、「ベースメントのような新しい築物件じゃなくて、リテンション(リノベーション)案件というものについてはこれからまたチャンスがある」との見方を示した。その上で「国内外に営業開発部隊を増強しているので、そこで案件をしっかりと取っていきたい」と述べた。

 新築物件を巡る競合状況についても言及。「リッチモンドホテルとかは競り負ける可能性が高くて、単価の高いホテルの方が今選ばれやすい傾向が強い」とし、「床の面積が同じでホテルを建てる方たちの収益が上がっていくには売上が高い方がいい、ということになる。そうすると、シティホテルになっていったら、ややラグジュアリーの方に向かっていく方がチャンスが多いということになる。そこの部分はマイナーホテルとか合弁会社のところで取りに行く」と戦略を説明した。

 ホテル人材の確保に関しては、「ホテルのフロント等に入っていただく方は技人国の方になるので、制限を今のところまだ影響は受けていない。一方で、ホテルの食事の部分のメンバーになりますと特定技能の方になるので可能性も出てきますので、そこの面では特定の確保というところはホテルに若干の影響がある」との認識を示した。

中期計画、ホテル事業は2027年度に売上455億円・経常65億円が目標

 中期経営計画(2025〜2027年)において、ホテル事業の2027年度目標は売上高455億円、経常利益65億円。2024年度実績(売上351億円、経常54億円)からそれぞれ104億円、11億円の増加を目指す。出店計画は直営5棟の純増だ。

 2026年通期計画はホテル事業の売上高438億円、経常利益71億円。第1四半期の経常利益13億9200万円に対する通期計画進捗率は19.6%にとどまるが、ホテル事業は季節性から第2四半期以降の利益が大きい構造にある。

 グループ全体の通期計画は売上高1748億円、営業利益89億5000万円、経常利益88億円、親会社株主に帰属する当期純利益57億円。第1四半期の経常利益進捗率は17.0%だ。

 阿部社長は「この3年間の中期計画の今2年目になる。来年の1800億円の売上、そして100億円の経常利益に向けた歩みを止めないというところがポイント」と述べ、「出店投資であったりとか、補修もしくは回収投資というところを継続して強くやっていく」と方針を示した。財務指標については自己資本比率40%の維持を目標とし、DOEは3.5%または配当性向30%以上を目途に安定配当を目指す。

阿部正孝社長

 
 
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