前回コラムでは、人材の採用・定着に生成AIをどう生かすかを述べた。これまで4回にわたり、競合分析、コンセプト設計、採用・定着というテーマでAI活用を論じてきた。最終回となる今回は、改めて番頭なき時代の経営者がAIとどう向き合えばよいかを考えたい。
かつての旅館・ホテルにいた番頭は、社長や女将の意をくみ、現場を束ね、外との交渉に立ち、夜は奥で帳場の数字を確かめる存在だった。その番頭がいなくなった今、AIが番頭の代わりを完全に務められるかと言えば、答えは否である。AIはもっともらしい誤情報をすらすらと書き出すことがあり、そのまま受け取ると判断を誤る。お客さまの表情から本音を読み取ることもできない。常連客との長年の信頼関係、地元の金融機関との腹を割った交渉、これらは人と人にしかできない仕事だ。そして何より、最終判断の責任をAIは取れない。重要な決断を下すのは、結局のところ経営者である皆さま自身である。
会員向け記事です。





