隠れ家的な雰囲気が漂う宿の入り口
日本神話ゆかりの地、宮崎県高千穂町に赤朽葉色が印象的な「高千穂離れの宿神隠れ」がある。1931年(昭和6年)創業の民芸旅館「かみの家」を前身に、2014年に屋号を改め再スタート。神話の世界観を体感できるおもてなしを続けてきた。
「夕食は、神楽鈴を鳴らしての乾杯から始まります」と話すのは、佐藤雄二郎社長。高千穂町など九州の一部の地域でしか製造されていない「釜炒り茶」を食前酒の代わりに提供している。昨年10月から始めた「神話御膳」は、高千穂牛やヤマメなど地産食材をふんだんに使った山里料理。夜神楽の舞台をイメージした前菜「神庭」や、おのころ池を表現した冷煮物「神池」など、視覚でも楽しめる品々が並ぶ。
料理の提供に合わせて登場するスタッフ手作りの「神話の紙芝居」も好評で、1品ごとに神々の物語や高千穂の観光地、宿の歴史などを解説。神話の世界に触れながら料理が楽しめる。
全8室の離れは華鳥風月をモチーフにした和洋室。それぞれに内風呂と露天風呂、バレルサウナを備え、高千穂峡の玉垂の滝からくみ上げた御神水を使用している。出発時には火打ち石を鳴らして旅の安全を祈願してもらえる心遣いもうれしい。
高千穂神社から徒歩7分、高千穂峡までは車で5分と、神話の世界を身近に感じられる立地も魅力だ。毎年11月下旬から翌年2月にかけて町内各所で夜通し奉納される「高千穂の夜神楽」は、そのほかの時期も高千穂神社で毎晩公演が行われており、神楽を楽しみに訪れる宿泊客も多い。
高千穂町観光協会の観光振興委員長も務める佐藤社長。「宿泊客は国内が約9割で、一見さんがほとんど。観光スポットだけ巡って、由布院や別府など周辺の温泉地に泊まる人も多い」と課題を挙げる。滞在時間を伸ばすため、毎年恒例の高千穂峡のライトアップは、佐藤社長の主導で今年から実施エリアを拡大した。地域全体のさらなる魅力向上に努め、「通過型観光」からの脱却に意欲をみせる。
【1泊2食付き1人4万4千円から(税込み)】
【公式サイト】高千穂離れの宿 神隠れ

隠れ家的な雰囲気が漂う宿の入り口




