前々回、「つばめ風ハンブルグステーキ」について書かせていただいた折、いろいろ調べていたら、ハンバーグのヒミツが分かってきた。
…というワケで、ハンバーグについて。そもそもハンバーグとは、合いびき肉にパン粉や卵などのつなぎを混ぜ、小判型に成形して焼いた料理を指す。少なくとも、日本の多くの家庭では、そういった認識だろう。だが、コレって実は世界基準ではない。ハンバーグ自体が和製英語で、実は日本で独自の進化を遂げたモノなのだ。ナポリタンやオムライス同様、日本生まれと言っても過言ではない。
その起源は諸説あるが、騎馬民族タタール人が食べていた生肉料理という説が有力。モンゴルからヨーロッパまで遠征していた彼らは、乗り潰した馬を食料にしていたが、筋肉質の軍用馬の肉はとても硬いので、細かく切った肉をくらの下に置き、騎乗者の体重で加圧して軟らかくしたという。コレが、ヨーロッパで人気の「タルタルステーキ」の原型である。
それがドイツに伝わり、外側だけカリッと焼いてみるとスゴクおいしくて、ドイツの港町ハンブルグの労働者から人気を博した。コレがハンブルグステーキである。ハンブルグは、ドイツとアメリカを結ぶ航路の出発地でもあり、ハンブルグステーキもここからアメリカに伝えられた。ハンブルグという名を付けることで、故郷の味を懐かしむドイツ系移民の客を引きつけたのだろう。
しかし、その後米国では、牛肉100%のパティをバンズに挟む「ハンバーガー」が主流に。焼いてソースをかけて食すスタイルはほぼ見られなくなった。
逆に日本では、牛乳を浸したパン粉や卵を入れ、軟らかさを追求したハンバーグが主流になっていった。ヘルシーな豆腐ハンバーグも、もはや定番となっている。それが日本独自の進化である。合いびき肉を使うことでうまみを増し、デミグラスソースや和風おろしソースなど、ソースのバリエーションも増えていった。
1962年、フライパン調理だけでなく、レンチンでもOKというチルドハンバーグ「マルシンハンバーグ」が発売され、さらに1970年に日本初の調理済みハンバーグ「イシイのチキンハンバーグ」が登場、家庭でもより手軽にハンバーグが食べられるように。同年にはファミレスの1号店がオープンし、翌年マクドナルド1号店が日本上陸、ハンバーグやハンバーガーを食す機会も増えた。
かつてはひき肉料理というと、食肉加工時に出る端材を使うイメージだったが、今やA5ランクの黒毛和牛を使ったぜいたくな高級ハンバーグもある時代。専門店も数年前からブームとなっており、自分好みの焼き加減に「育てる」店が増えている。こうした進化系ハンバーグ専門店は、いずれもお米にこだわり、白いご飯に合わせている。
前回お弁当の商品開発について書いたが、新作メニューにもハンバーグ弁当を2種類加える予定。何たって、人気者だもん♪
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




