森トラスト・ホテルズ&リゾーツは4月24日、運営するホテルのうち16施設・約2,000室で客室内のペットボトル等使い捨て容器による飲料水の提供を廃止し、各客室にウォーターサーバーを導入すると発表した。2026年度から順次導入を開始し、2027年度中に年間28.8トン相当、500mlペットボトル約115万本分のプラスチック削減を目指す。
プラスチック廃止の背景
同社は発表の中で、「世界的に深刻化する海洋プラスチック問題や、CO2排出による地球温暖化は、観光業において避けて通ることのできない社会課題」と説明。美しい自然環境や地域資源を基盤とするホテル事業者として、環境負荷の低減に配慮した事業運営が一層求められるとの認識を示した。
循環型社会(サーキュラーエコノミー)の観点から、これまでもアメニティの脱プラスチック化を進めてきた同社が、今回は宿泊時に日常的に消費される客室用ペットボトル飲料に着目し、サービス提供の在り方を根本から見直す。

取り組みの4本柱
具体的な取り組みは以下の4点だ。
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ペットボトル・紙パック提供の廃止:対象施設の一部客室において、使い捨て容器での飲料水提供を終了する。
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ウォーターサーバーの設置:廃止した客室に浄水機能を備えたウォーターサーバーを設置。必要な分だけ、いつでも利用できる。
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カラフェ・グラス・マグカップの常設:繰り返し使用可能なカラフェやグラス、マグカップなどを客室内に常設する。
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プラスチック削減目標の設定:2027年度中に16施設・約2,000室での廃止を完了し、年間28.8トン、500mlペットボトル115万本分の削減を目標とする。削減量は対象施設における年間使用実績をもとに算出している。
同社は本取り組みについて、「環境配慮にとどまらず、お客様の宿泊体験そのものを再定義する取り組み」と位置づけ、「使い捨てを前提としない循環型の宿泊体験を通じて、お客様自身が環境配慮の取り組みに自然にご参画いただける仕組みを提供する」としている。
対象16施設
本取り組みの対象となるのは、以下の16施設だ。
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翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
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紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良
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イラフ SUI ラグジュアリーコレクションホテル 沖縄宮古
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東京マリオットホテル
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富士マリオットホテル山中湖
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軽井沢マリオットホテル
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伊豆マリオットホテル修善寺
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琵琶湖マリオットホテル
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南紀白浜マリオットホテル
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ウェスティンホテル仙台
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コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション
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コートヤード・バイ・マリオット 白馬
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ホテルラフォーレ那須
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ラフォーレ箱根強羅 湯の棲
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ラフォーレ伊東温泉 湯の庭
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ホテルラフォーレ修善寺
これまでのサステナビリティ活動
同社のプラスチック削減への取り組みは今回が初めてではない。2023年1月より一部宿泊施設において、客室内アメニティの提供方法を見直し、必要分のみをフロントで渡す方式や無料アメニティスペースの導入、環境配慮型製品への切り替えなどを実施。2026年3月末までに累計で49.9トンのプラスチックを削減した実績を持つ。
再生エネルギーの導入も進める。2023年より「東京マリオットホテル」「ウェスティンホテル仙台」「コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション」の3ホテルで再生エネルギーの活用を開始している。
環境保全活動の面では、「南紀白浜マリオットホテル」での熊野古道の修復・清掃活動、「イラフ SUI ラグジュアリーコレクションホテル 沖縄宮古」でのマングローブ林を巡るクルーズやサンゴ苗付け体験などを通じた自然環境学習型宿泊プランの提供など、地域と連携した活動も展開している。
また、歴史的建造物の保存・復原・活用にも注力。1922年建設の旧奈良県知事公舎を保存・復原・活用した「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」や、重要伝統的建造物群保存地区内の建造物を活用した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」などがその代表例だ。「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」は「第24回長崎市都市景観賞(大きな建物部門)」を受賞している。





