訪日外国人の64%がマナー違反、宿泊施設調査 「騒音」が最多、法令違反も12%で発生


 一般社団法人宿泊施設関連協会(JARC)は4月13日、「宿泊施設を利用する訪日外国人のマナー問題」アンケート調査の結果を発表した。

 調査対象は全国の宿泊施設134件。過去1年間で訪日外国人によるマナー違反が発生したと回答した施設は64%にのぼった。また、法令違反(犯罪行為を含む)が発生したと回答した施設も12%あった。

マナー違反の実態

 マナー違反の種別では、「騒音(深夜の話し声、パーティー、足音など)」が38%と最多。業種・規模・外国人宿泊割合を問わず、すべてのカテゴリーで1位を占めた。

 2位は「その他」で30%。設問として想定していなかった違反行為が多数報告された。以下、「ゴミの分別・処理(指定場所以外への投棄、分別ルール無視など)」11%、「禁煙エリアでの喫煙」7%、「チェックイン・チェックアウト時間の無視」5%、「設備の不適切な使用(トイレの詰まり、シャワーの長時間使用など)」5%、「備品の持ち帰り(タオル、アメニティ、ドライヤーなど)」4%、「共用スペースの占拠(ロビー、キッチンなどでの長時間の居座り)」1%と続いた。

「その他」に報告された違反行為の多様さ

 自由記述欄の「その他」には、幅広い違反行為が寄せられた。大浴場・温泉関連では、「大浴場内でのスマートフォン等の使用」「湯舟への汚物投入」「タオルを湯舟につける行為」「下着のまま入浴」などが報告された。

 館内・共有スペースでは「通路への荷物放置」「共有スペースでの不適切な飲食」「割り込み行為」「門限の未遵守」など。客室・設備では「壁・備品などの破損」「スーツケースの無断残置(廃棄目的)」「畳をキャリーバッグで傷める行為」「使用後の食器未洗浄」といった報告が相次いだ。

 接客・トラブル関連では「不当な値引き要求」「予約内容外のサービス・客室要求」「立入禁止エリアへの侵入」「泥酔による破損・騒音」「満室時の無理な要求による業務妨害」など。衛生面では「強い香水や体臭の残留による客室販売停止」「医療用注射針の廃棄」「タバコ吸い殻の不適切廃棄」も確認された。飲食・レストランでは「予約時間の未遵守」「バイキングでの過度な食べ残し」も挙がった。

業種別の傾向

 業種別にみると、フルサービスホテル(地方)では「騒音」が64%と特に高い割合を示した。民宿・貸別荘・簡易宿所では「ゴミの分別・処理」が29%で最多となり、「チェックイン・チェックアウト時間の無視」「備品の持ち帰り」(各14%)が続いた。旅館(N=35)では「騒音」37%、「ゴミの分別・処理」12%、「チェックイン・チェックアウト時間の無視」10%の順。宿泊特化型ホテル(地方)(N=13)は「騒音」47%、「禁煙エリアでの喫煙」20%と続いた。

規模別の傾向

 客室規模別では、100室以上200室未満(N=30)と200室以上(N=17)の中・大規模施設でいずれも「騒音」が50%を占めた。一方、20室未満の小規模施設(N=9)では「ゴミの分別・処理」と「チェックイン・チェックアウト時間の無視」がそれぞれ20%で並んで最多となり、「騒音」(13%)を上回った。

外国人宿泊割合別の傾向

 外国人宿泊割合が70%以上の施設(N=10)では「ゴミの分別・処理」が70%と突出して高く、他の割合帯とは異なる傾向を示した。10%未満の施設(N=24)では「騒音」29%に次いで「チェックイン・チェックアウト時間の無視」と「備品の持ち帰り」が各10%で並んだ。10%~30%未満(N=31)では「騒音」が51%と過半数を超えた。

法令違反の実態

 法令違反(犯罪行為を含む)については、全体の12%にあたる16件の施設で発生が確認された。

 違反の内訳では「無断宿泊(予約外の人数が宿泊する、宿泊者名簿に虚偽の情報を記載するなど)」が52%で最多。「不法行為(器物損壊、盗難など)」29%、「大麻や違法薬物の使用」10%、「宿泊費支払いの拒否」5%、「売買春」5%と続いた。

 業種別では旅館(N=7)が最多で、「無断宿泊」56%、「不法行為」33%、「宿泊費支払いの拒否」11%の順。宿泊特化型ホテル(都市)(N=4)では「無断宿泊」50%、「大麻や違法薬物の使用」33%、「不法行為」17%。宿泊特化型ホテル(地方)(N=3)では「無断宿泊」「不法行為」「売買春」が各33%で並んだ。フルサービスホテル(都市)(N=2)では「無断宿泊」67%、「不法行為」33%だった。

 規模別では100室以上200室未満(N=8)が最多で「無断宿泊」63%、「不法行為」25%、「大麻や違法薬物の使用」13%。200室以上(N=1)は「大麻や違法薬物の使用」100%。50室以上100室未満(N=5)では「無断宿泊」と「不法行為」がそれぞれ50%を占めた。

 外国人宿泊割合別では10%~30%未満(N=9)が最多で「無断宿泊」56%、「不法行為」22%、「大麻や違法薬物の使用」22%。70%以上(N=6)では「無断宿泊」50%、「不法行為」33%、「宿泊費支払いの拒否」17%だった。

調査概要

 調査は一般社団法人宿泊施設関連協会(JARC)が実施。有効回答数は134件で、内訳は旅館58件(43%)、フルサービスホテル(地方)21件(16%)、宿泊特化型ホテル(地方)19件(14%)、フルサービスホテル(都市)18件(13%)、宿泊特化型ホテル(都市)13件(10%)、民宿・貸別荘・簡易宿所5件(4%)。

 客室規模は100室以上200室未満が31%で最多。外国人宿泊割合は「10%未満」が39%と最も多く、「10%~30%未満」31%が続いた。

 JARCは「安全・安心・清潔・エコ・コンビニエンスで持続可能な地域観光を目指す」を掲げ、宿泊施設のストレスフリーな滞在環境整備を推進している。所在地は東京都千代田区平河町2-5-5 全国旅館会館2階。

 
 
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