電通は4月16日、2035年までに起こり得るトレンドをまとめた中期未来予測ツール「電通未来曼荼羅 2026」の提供を開始した。国内電通グループ5社との共同制作で、企業の未来起点の経営戦略立案や新規事業・サービス開発への活用を想定している。

同ツールは「人口・世帯」「社会・経済」「科学・技術」「まち・自然」の4カテゴリーにわたる全72のトレンドテーマを網羅的に分類。各テーマの概要とデータ、関連トピック、未来にもたらす変化や重要な視点をまとめている。
「電通未来曼荼羅」は2010年に提供を開始。アップデートを重ねながら、ツールを活用したコンサルティングサービスも提供してきた。
9つのテーマを刷新、AIの浸透を前提に
最新版では、前年度版から9つのトレンドテーマを刷新。全72テーマについて、以下の3つの着眼点でアップデートを行った。
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①AIに代替されないやりがい・生きがい
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②コミュニケーション・人のつながりの価値の再定義
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③生産活動・消費活動の変化と進化
電通は2035年の社会について、「AIが特別な先端技術ではなく、あらゆる事業・生活の意思決定や創造活動に組み込まれた社会の基盤となり、人と企業の価値創造のあり方そのものを再定義するであろう」と捉えている。
着眼点①では、AIによって人間のさまざまな行動が代替されていく中で、仕事や教育のあり方、人が社会に対して提供できる価値は何か、また人は仕事や学びにどのような価値を見いだすのかを問う。
着眼点②は、AIがアバターやエージェントとして日常的な対話の相手となりつつある社会において、人と人がつながること・関わることの価値は何か、人はどのような関係性に信頼や意味を見いだすのかを探る。
着眼点③では、農業や製造業など生産プロセスのスマート化、購買行動の二極化などが進む中で、生産から消費に至るバリューチェーンの何が変化し、何が進化していくのか、また人は何を基準に商品やサービスを選ぶのかを考察している。
各トレンドにおける今後の展望や商機について多角的な視点で紹介する「未来へのヒント」にも、最新の知見から得た示唆を盛り込んだという。
5月18日に「未来探索セッション」開催
「電通未来曼荼羅 2026」の提供開始に合わせ、同ツールを活用した「未来探索セッション」を5月18日(月)に電通本社ビル(東京都港区東新橋1-8-1)で開催する。時間は15時から17時30分。定員は30名、参加費は無料。
セッションでは、未来の事象・トレンドの紹介に加え、事業環境を取り巻く重要な外部環境の変化を特定しながら、同ツールをいかに活用して新たな事業開発につなげていくかを紹介する。さらに「さまざまな業界の方々と未来に向けた革新的なアイデアを共有することで、新たなビジネスチャンスを模索する機会を創出する」としている。セッション終了後には、飲み物や軽食を用意したカジュアル相談会も予定している。
申し込み締め切りは2026年5月11日(月)14時30分。申し込み者が多数の場合は抽選となる可能性がある。当選者には5月11日(月)から5月15日(金)にかけてメールで通知される。
対象は「10年後の自社に不安」を抱える企業
セッションの対象者として、電通は以下のような課題を抱える企業の担当者を挙げている。
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AIの急速な浸透に伴い、漠然と10年後の自社の姿に不安を感じている
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技術はあるが、戦略的な活用方法を十分に描けていない
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中期経営計画などが、過去実績からの積み上げにとどまり、将来の可能性が広げられていない
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新規事業・サービス企画が、既存ビジネスの延長から抜け出せない
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既存事業の新たな成長のあり方を模索している
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縦割りの組織構造により、新しいアイデアや推進力が生まれにくい
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モノづくりはできるが、ビジネスモデル設計や事業・サービス体験設計に課題を感じている
なお、競合他社およびパートナー企業からの申し込みは受け付けていない。
「未来事業創研」と連携し研究・開発を推進
電通は、独自のアプローチで企業の未来価値を見いだす国内電通グループ横断組織「未来事業創研」と連携し、「電通未来曼荼羅」のアップデートにとどまらず、未来の研究やソリューションの開発を推進している。「今後も『未来起点』で経営戦略の立案支援や新規事業・サービス開発に伴走し、企業のイノベーション創出および事業成長に貢献していく」としている。
昨年のワークショップでは、「電通未来曼荼羅」を活用した2035年に向けた未来予測をもとに、新規事業アイデアを創出するプログラムを実施。プロジェクト事例の紹介や、事業アイデア創出のためのグループワークとディスカッションを通じて、未来の消費者ニーズや市場動向を踏まえたビジネスモデルやサービスの概念形成を体験できる内容だった。




