竹内氏
前回は、オーストラリアやニュージーランドなど、南半球の牡蠣(かき)についてだったが、次は北半球。まずは北米大陸西海岸。筆者は、海に面したカナダのバンクーバー、米国のシアトル、アストリア、サンフランシスコ、サンタバーバラ、サンタモニカ、ロサンゼルス、サンタ・カタリナ島、サンディエゴなどを訪れたが、新鮮なシーフードがウリの店が多く、まさにシーフードパラダイス♪ モチロン、牡蠣は人気メニューだ。
西海岸で主に食べられているのはパシフィック・オイスター、つまり真牡蠣で、約9割に及ぶといわれる。戦後GHQの命で日本から種牡蠣を米国に輸出、現地で稚貝を育てられるようになり輸出は終了したが、「ロイヤル・ミヤギ」や「クマモト・オイスター」など、ブランド化したモノも。クマモトは「シカメガキ」という品種で、真牡蠣より小ぶり。宮城県・広島県の輸出開始翌年に熊本県も加わり、種牡蠣養成の指導にあたった県職員が、真牡蠣の中に混ざっていたシカメガキを見つけ、欧米人は小粒好みだからとシカメガキを中心に輸出したところ、人気となった。
ロイヤル・ミヤギはバンクーバーでいただいた。プリッとした身は超クリーミー♪ 海のミルクと呼ぶにふさわしい。クマモトはシアトルで。小ぶりな身にしっかりうま味が凝縮され、思いの外フルーティー♪
他にも、東海岸在来種の「オリンピア・オイスター」という品種があるが、乱獲や港湾開発による水質悪化で激減し、今では小規模養殖による希少品である。
オイスター・バーの定番「オイスター・シューター」というメニューがある。ショットグラスに生牡蠣とソース、レモン汁やウォッカなどアルコールを入れ、ひと口でクイッと食べるのだが、牡蠣が大粒だとちょっとキビシイ。やっぱり小粒じゃないと、ってワケ。
ちなみに小粒なクマモト・オイスター、原産地熊本県では、1958(昭和33)年で輸出が終了すると、その後生産が途絶え、絶滅したのでは?と考えられていたが、2005(平成15)年から復活プロジェクトが始動。県水産センターの調査で、同県八代市鏡町で発見され、養殖に向け研究がスタート。2011(平成23)年、ようやく半世紀ぶりに出荷され、復活を果たしたという。
一方、東海岸で食されるのは、メイン州からチェサピーク湾にかけての海域で採取される、北米東海岸原産のバージニカ・オイスター。中でも有名なのが、ロングアイランド南岸産「ブルーポイント・オイスター」だ。オイスター・バー文化の発祥地といわれるニューヨークで、最も愛されているといわれる。最古のオイスター・バーとされるニューヨークの「グランド・セントラル・オイスター・バー」でいただいたが、やや小ぶりで薄くて平たい牡蠣の身は、程よく塩味があって後味サッパリ。
実は同店、東京に唯一の支店があり、先日行ってみた。そのリポートや牡蠣の生食文化についてなど、続きは次号をお楽しみに!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。




