右側:農林水産副大臣 根本 幸典(ネモト ユキノリ) 中央:紅葉館 松本 富子(マツモト トミコ) 左側:宝塚市役所 産業文化部長 岡本 直也(オカモト ナオヤ)の各氏
農林水産省が宝塚市の「ぼたん鍋」など日本の食文化を体験できる地域を追加認定
農林水産省は12月23日、食と食文化の魅力によりインバウンド誘致を図る「SAVOR JAPAN(セイバージャパン)」として、新たに3地域を認定し、同省内で認定証授与式を開催した。今回認定されたのは、山梨県笛吹市、兵庫県宝塚市、奈良県明日香村の3地域。これによりSAVOR JAPANに認定された地域は全国で46地域となった。

右側:農林水産副大臣 根本 幸典(ネモト ユキノリ)、中央:紅葉館 松本 富子(マツモト トミコ)、左側:宝塚市役所 産業文化部長 岡本 直也(オカモト ナオヤ)の各氏
農山漁村へのインバウンド需要取り込みが目的
SAVOR JAPANは、「味わう、楽しむ」を意味する「SAVOR」という英単語を冠し、食と食文化の魅力を通じてインバウンド誘致を図る地域を農林水産省が認定する制度だ。地域の食の魅力を「SAVOR JAPAN」ブランドとして海外へ一体的かつ強力にPRすることで、インバウンド需要を農山漁村に呼び込むことを目指している。
認定のロゴマークは、日本の農山漁村の豊かな自然をテーマに、それぞれの土地に生まれた食文化や美しい日本の神髄を体感してほしいという願いが込められている。モチーフは「山」「海」「田」「畑」「川」、そして「箸」となっている。

今回認定された3地域の特徴
山梨県笛吹市
実行組織:笛吹市農泊観光ツーリズム推進協議会
笛吹市は富士山の噴火などによって形成された扇状地にあり、桃と葡萄の生産量が日本一を誇る果樹王国だ。地形を歩きながら山梨の歴史と技術のルーツに触れることができる。
特徴的な「甲州式棚栽培」により生産される高品質な葡萄をはじめ、季節の果物が織りなすストーリーや作り手の思い、技術を体験できる。地場の季節のフルーツを使ったフルーツピザや、新ご当地メニュー「ラーほー」など、地元の食材を活かした料理も楽しめる。五感で感じられる農業文化と暮らしの知恵、地元の人々との出会いを通じ、深く心に残る体験を提供する。
兵庫県宝塚市
実行組織:株式会社エフエム宝塚
宝塚市は宝塚大劇場など市街化した南部と、近郊農村地で豊かな自然に恵まれた北部地域が共存する地域だ。北部地域では集落の集まりなどで猪肉を使った「ぼたん鍋」が振る舞われてきた歴史がある。
丹波山地の恵みである「ぼたん鍋」を通じて北部の自然の恵みと地域のコミュニケーションツールとしての食文化を体験できる。また、宝塚西谷黒大豆枝豆など地域の特産品も味わうことができる。
奈良県明日香村
実行組織:一般社団法人大和飛鳥ニューツーリズム
古墳や遺跡が多数存在する奈良県明日香村は、明日香法によって景観が守られ、日本の伝統的な農村の暮らしと風景が今も息づく地域だ。大和飛鳥ニューツーリズムは、奈良県内の自治体と連携し、国内外の教育旅行を中心に民家ステイの受入と体験アクティビティの企画・運営に取り組んでいる。
古くから受け継がれてきた木桶仕込の醤油絞り体験など、地域の営みの中で育まれてきた手仕事や食文化に触れる機会を提供。民家ステイではホストファミリーとの共同調理を通じて郷土料理「飛鳥鍋」を作り、地域の食文化や暮らしの知恵を学ぶことができる。
認定証授与式
認定証授与式は12月23日午後2時から2時30分まで、東京都千代田区霞が関の農林水産省本省7階第3特別会議室で開催された。地域の代表者に対して認定証が授与された。

前列左から、笛吹市農泊観光ツーリズム 辻 千鶴(ツジ チズル)一般社団法人大和飛鳥ニューツーリズム 加集 主税(カシュウ チカラ)、農林水産副大臣 根本 幸典(ネモト ユキノリ)、株式会社エフエム宝塚【紅葉館】 松本 富子(マツモト トミコ)、株式会社エフエム宝塚【宝塚市役所 産業文化部長】 岡本 直也(オカモト ナオヤ)の各氏
後列左から(いずれも農林水産省)、新事業・食品産業部長 高橋 一郎(タカハシ イチロウ)、大臣官房総括審議官(新事業・食品産業) 河南 健(カワミナミ ケン)、新事業・食品産業部 外食・食文化課 食文化室長 牧之瀬 泰志(マキノセ ヤスシ)の各氏
全国に広がるSAVOR JAPAN
今回の3地域を含め、SAVOR JAPANは北海道から九州まで全国46地域に広がっている。北海道網走市の鮭料理や秋田県大館地域のきりたんぽ、福井県小浜市のへしこ、長野県伊那市のそばと昆虫食、静岡県浜松・浜名湖地域のうなぎなど、各地の特色ある食文化を世界に発信している。
SAVOR JAPANの認定は平成28年度から行われており、今回の認定は令和7年度分となる。今年度は6月から7月にかけて取組計画の募集が行われ、応募のあった取組計画について「SAVOR JAPAN」有識者会議にて委員からの助言を経たのち、国土交通大臣への意見照会を行った上で、優れた取組として認められる3地域が認定された。
認定された地域は「SAVOR JAPAN」ブランドとして、海外へ一体的かつ強力にPRされることで、インバウンド需要を農山漁村に呼び込む取り組みが推進される。
日本各地の豊かな食文化を海外の人々に体験してもらい、地域の活性化につなげるこの制度は、インバウンド観光の新たな切り口として今後も注目される。




