弦JASRAC会長(左)と井上全旅連会長
日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月18日、東京の第一ホテル東京で、長期契約者に感謝状を贈呈するとともに第12回JASRAC音楽文化賞を発表した。
長期契約者表彰はJASRACと30年以上にわたり利用許諾契約を締結している事業者が対象。JASRACは、飲食店や宿泊施設などでカラオケや生演奏により音楽を利用する消費者からの使用料を、作詞者、作曲者、音楽出版社などの権利者へ分配。これらが作詞者、作曲者にとって新たな創作の糧となっているとしている。
今回の式典では518の対象者の中から全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長で福岡県の六峰舘代表取締役の井上善博氏ら3人の代表にJASRAC会長で作曲家の弦哲也氏から感謝状が贈呈された。
井上氏は、「カラオケは旅館にとってなくてはならないもの。音楽を通じてお客さまに楽しみや、喜び、癒やしを提供させていただいている」などと述べた。
一方のJASRAC賞は、千葉県のぐらもくらぶ、広島県のHOPEプロジェクトと、矢川ピアノ工房、北海道の北海道農民管弦楽団の4団体が受賞した。
JASRAC音楽文化賞は売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人、団体、作品などに光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰することにより、今後の活動への励みとしてもらうことを目的に創設した。受賞者には表彰盾と50万円の副賞が贈られる。顕彰候補は全国各地の報道機関などから寄せられ、有識者で構成する選考委員会で選考された。
ぐらもくらぶは、SPレコードでしか聴くことができない貴重な音源をCDで復刻するレコードレーベル。
HOPEプロジェクトと、矢川ピアノ工房は、原爆が投下された広島と長崎で、原爆の被害を受けた「被爆ピアノ」を修繕・保存し、各地で演奏会を開催する。
北海道農民管弦楽団は、道在住の農家や、農業関係の仕事に携わる音楽愛好家によるオーケストラ。宮沢賢治の理念に共感し、「くわで大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに音楽活動を続けている。

弦JASRAC会長(左)と井上全旅連会長




