山下氏
観光経済新聞社は11月20日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第48回配信を行った。帝京大学経済学部観光経営学科教授の山下晋一氏を招き、「『明日の日本を支える観光ビジョン』が果たした役割とツイントランスフォーメーション」をテーマに講演した。
山下氏は日本の現状について、世界幸福度ランキング55位、デジタル競争力31位、スマートシティインデックスでは東京が108位と、北欧諸国やアジアの先進国と比較して大きく後れを取っている一方で、国際観光開発指標では3位と高順位を獲得していると解説。第2次安倍内閣の重要政策「明日の日本を支える観光ビジョン」の成果と第4次観光立国推進基本計画の達成状況にふれ、「DMOを中心に、国、自治体、地域、観光事業者が緊密な連携を図ることが重要」と述べた。
山下氏によれば、持続可能な観光地域づくりには「デジタルトランスフォーメーション(DX)」と「サステナブルトランスフォーメーション(SX)」を統合した「ツイントランスフォーメーション」が有効で、デジタルとサステナブルの両面から課題解決に取り組むべきだという。「持続可能な観光地域づくりの目的はそこに住む人が幸せになること。海外先進事例を謙虚に学び、バランスの取れたツイントランスフォーメーションの推進が日本国民の幸福実現につながる」と講演を締めくくった。

山下氏




