エクスペディア・グループは10月16日、2026年の旅行トレンド「Unpack ’26」を発表した。同社とホテルズドットコムのデータに加え、日本を含む世界18地域の2万4000名の旅行者を対象としたグローバル調査を基に、来年の旅行トレンドを5つに集約。「スポーツ観戦の旅」や「リノベ宿ステイ」、「ホテルホッピング」などが新たなトレンドになると予測している。
「今年の注目旅行先」では沖縄が2位
2026年版「今年の注目旅行先」として、エクスペディアのサイト・アプリのデータから、検索数が増加している旅行先10か所を選定。1位はアメリカ・ビッグスカイ(検索増加率92%)、2位は日本の沖縄(同71%)、3位はイタリア・サルデーニャ島(同63%)となった。また、このうち6か所は「スマート・トラベル・ヘルスチェック」に認定。これは、観光が地域に過度な負担をかけないよう配慮している旅行先を評価する業界初の制度だという。
ローカルスポーツで地域文化を体験

「スポーツ観戦の旅」では、世界の旅行者の57%が「旅行中にその地域ならではのスポーツを観戦したい」と回答。Z世代とミレニアル世代では68%が日本の相撲やタイのムエタイなど地域のスポーツを間近で観戦したいと答えた。
観戦理由としては、「その地域の伝統や文化を学びたい(55%)」が最多で、「観戦時の雰囲気やエネルギーを感じたい(51%)」「自分が住んでいる地域では見られないスポーツを観戦したい(51%)」が続いた。日本人はスポーツそのものだけでなく、地域文化や日常に触れる旅を求める傾向がうかがえる。
学校や刑務所がホテルに変身
「リノベ宿ステイ」では、歴史的建造物をリノベーションしたホテルが人気。かつて学校や駅、銀行として使われていた建物を改装した個性豊かなホテルへの需要が高まっている。Hotels.comの推薦する10施設のうち、日本からは京都の「ザ ホテル青龍 京都清水」(元・学校)が検索増加率194%で最上位に。イギリスの元刑務所を改装した「ボドミン ジェイル ホテル」が110%で続いた。
半数が一旅行で複数ホテル希望
「ホテルホッピング」は、一つの旅行先で複数のホテルに宿泊するスタイル。世界の旅行者の54%が「ひとつの旅行先で複数のホテルに宿泊したい」と回答。理由として「さまざまなエリアを観光するため(50%)」が最も多く、次いで「旅に変化とワクワク感を加えるため(47%)」が続いた。
日本人では「旅に変化とワクワク感を加えるため」が56%で世界より高い傾向。また、どのような旅行で複数ホテル宿泊を検討するかという問いには、世界では「都会での滞在(53%)」が最多だったのに対し、日本人は「グルメ旅行(59%)」が最も高く、食への関心の高さが浮き彫りになった。


3年連続「ロケ地巡り旅」も注目
さらに「ロケ地巡り旅」は3年連続でトレンド入りした。世界の旅行者の53%が「過去1年間でロケ地巡り旅への関心が高まった」と回答。Z世代・ミレニアル世代の81%は「映画やテレビ番組で見たロケ地をもとに旅行を計画している」と答えた。
旅行先を決める際の影響源は、世界では「SNS(49%)」が最も多かったのに対し、日本では「テレビ番組(46%)」が最多。次いで「本(26%)」が続き、「本」と回答した割合は日本が世界で最も高い結果となった。

今回の「Unpack ’26」調査は、2025年6月27日〜8月3日の期間で世界18地域、計2万4000名を対象にオンラインで実施されたもの。





