
国土交通省は6月6日、ANAホールディングスと傘下のグループ会社4社に対し、航空法に定める届出や認可申請手続きの不備があったとして厳重注意をおこなった。2014年10月から2025年5月までの期間、国際線や国内線における未認可・未届の旅客・貨物運賃の収受や、国際線受託手荷物における未認可の料金の収受などがあったことに伴うもの。
発生した事案は計13件で、このうち全日空が国際旅客便・貨物輸送、国内貨物輸送、事業計画変更に関する不備などで12件。ピーチ・アビエーションが国内旅客便の未届出運賃の収受で1件、エアージャパンが事業計画変更に関する不備で2件、ANAウイングスが事業計画変更に関する不備で1件となっている。なお、13件のうち事業計画変更に関する2件は数社にわたる不備だった。
国交省によれば、こうした不備を是正するための届出や認可申請手続きはすでにされている。しかし、同じような事案が頻発していることから、国交省は「グループ各社における法令遵守意識が低いことに加え、グループ内で情報や認識の共有、対応の徹底が図られていないなど、法令遵守に係る組織としての体制が不十分」と指摘。このため、法令順守に係る組織体制の強化と、再発防止策を継続的・有効的に機能させるための必要な是正に取り組むよう求めている。そのうえで、7月7日までに法令遵守の徹底に向けた取組状況を文書で報告するようにとしている。
これに対し、ANAホールディングスとグループ4社はウェブサイトに連名で「ANAグループ各社に対する厳重注意について」と題した書面を掲載。厳重注意について真摯に受け止めるとともに「全グループ会社における航空法関連手続きを確実に実施するべくチェック機能を強化、徹底するとともに、全役職員の意識向上に努めてまいります」としている。