
コングレ代表取締役社長の武内紀子氏
MICEは「戦略実現ツール」
観光経済新聞社は15日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第36回配信を行った。コングレ代表取締役社長の武内紀子氏を招き、「未来が生まれる『場』をつくる。MICEを通じたレガシーの創出と地域活性化」をテーマに講演した。
MICEがもたらす効果として、(1)地域への経済効果(2)ビジネス・イノベーションの機会創出(3)国・都市の競争力向上(4)交流人口の平準化(5)レガシー―の5点を挙げた。特に、外国人参加者1人当たりの平均消費額は約112万円であり、これは一般観光客の約5.3倍にのぼると説明。MICEの高い経済効果を強調した。
同社が会場設営・会議運営全般を担当した2023年の「G7広島サミット」の成果にも触れた。経済波及効果は約1217億円に達し、開催後には広島への観光客が増加。平和記念資料館の入館者数も過去最多を記録したことなどを報告した。
このほか、MICE施設を活用した同社の街づくりの取り組みについても紹介。「出島メッセ長崎」(長崎市)を例に、地域と連携したMICE誘致や、地元大学とのプロジェクト、地元事業者向けの「長崎MICEスクール」などの施策を説明した。
最後に武内氏は「MICEは、地域はもとより、国や企業、団体、産業、学術など各分野で競争社会を生き抜くための“戦略実現ツール”」と位置付け、「MICEを活用し、会社や自身のやりたいことを戦略的に実現してほしい」と締めくくった。
コングレ代表取締役社長の武内紀子氏