10月から新免税制度スタート、ビジネスチャンス広がるか

  • 2014年8月23日

「免税店」をアピールする店が増えている(東京・新宿)

「免税店」をアピールする店が増えている(東京・新宿)

 10月1日から外国人旅行者向けの消費税免税制度が変わる。今まで対象となっていなかった消耗品など全ての品目が免税の対象として新たに加わる。外国人が多く訪れる観光地にとって、みやげ品の販売拡大につながる商機到来といえそうだ。

■新制度の内容
 従来の免税対象は、飲食料品、たばこ、医薬品、化粧品、フィルム、電池などの消耗品を除く通常の生活用物品で、1人1日1店舗で1万円超(1万1円以上)の購買に限られていた。

 今回、「消費税法施行令の一部を改正する政令」などで、この免税対象が拡大される。具体的には、飲食料品、医薬品などの消耗品を含めた全ての物品が対象となる。ただ、消耗品の場合は1人1日1店舗での購買額が5千円超(5001円以上)、50万円以下という制限がつく。51万円の高価な酒などは免税の対象とならない。

 非消耗品の免税範囲は従来と変わらない。ただ、1人に対する1日の販売額が100万円を超える場合は、購買者のパスポートのコピーなどをとり、一定期間保存するルールが追加された。

 免税販売に当たり、事業者は「購入記録票」、購買者は「購入者誓約書」に必要事項を記載する必要がある。今回の制度改正では、両書面で特定の様式以外の書面の利用や、記載すべき事項の一部省略を認めるなど、販売現場での労力の軽減を図った。

 免税で販売した消耗品は、一定の要件を満たした袋や箱に入れ、封印しなければならない。袋の場合は「プラスチック製であり、無色透明、またはほとんど無色透明であること」。箱の場合は「段ボール製、発泡スチロール製などであること」。ほかに、共通する要件として、「使用する状況に照らして十分な強度を有するものであること」「出国するまで開封してはならない旨、また物品を消費した場合は消費税が徴収される旨を日本語と外国語で記載または記載した書面を貼付したもの」。さらに内容物の品名や数量が外から確認できない場合は、品名と品ごとの数量を袋や箱に記載(または記載した書面を貼付)しなければならない。

■免税店になるには
 免税店(輸出物品販売場)になるには、事業者が、自身が納税している税務署に「輸出物品販売場許可申請書」を提出する必要がある。複数の観光地などに店舗を持つ場合は、本社が納税している税務署に書類を提出すればいい。

 税務署は以下の五つの条件を満たした場合、設置を許可する。

 (1)非居住者(外国人旅行者)の利用度が高いと認められる場所に販売所が所在していること(2)非居住者向け特設売場を設けるなど非居住者に対する販売に必要な人員の配置および物的施設を有するものであること(3)申請者が許可申請の日から起算して過去3年以内に開始した課税期間の国税について、その納税義務が適正に履行されていると認められること(4)申請者の資力および信用が十分であること(5)そのほか許可することにつき特に不適当であると認められる事情がないこと—。

 (1)については、「外客が現在は少なくても、今後増えると税務署に認められればクリアできる」とインバウンド関係事業者は話す。また(2)についても「店頭に『TAX FREE』と貼付すればよく、外国語を流暢に話す店員を置く必要はない」(同)。(3)から(5)は普通に事業を営んでいる事業者ならば問題はない。

 申請は無料で、更新作業もない。

■今後の展望
 観光庁によると、全国の免税店の数は4月1日時点で5777店。この1年間で1155店増えている。都道府県別で最も多いのは東京都の2239店。百貨店、家電量販店などが多く、観光地のみやげ店などはまだ少ないとみられる。

 政府は2020年までに、この免税店を1万店に増やす目標を立てているが、「恐らく来年には達成するのではないか」(前出のインバウンド関係事業者)。

 今回の制度改正で、免税店になるための手続き自体は簡素化されていない。ただ、「国は免税店を増やさなければならないと考えているから、今後は、よりスムーズになることは間違いない」(同)。

 免税範囲が拡大されれば、外国人旅行者の購買意欲が高まるのは間違いない。「あと千円買えば免税になる」というセールストークもでき、店の売り上げ向上につながる。

 さらに、「地域の全ての店が免税店となれば、一帯が『タックスフリーの町』としてアピールされ、観光客のさらなる誘致も期待できる」(同)という。

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