日本政府観光局(JNTO)によると、1月の訪日外客数は前年同月比10.3%増の64万500人で、3カ月連続で増加した。「1月としては08年(71万1350人)に次いで多かった」(JNTO)。主要12市場では韓国、タイ、米国、ドイツ、フランスなどが前年同月を上回り、特に韓国は日本を舞台にしたテレビドラマの放送もあって8割増を記録した。
国・地域別に見ると、韓国は同78.8%増の23万2千人と大幅増。昨年、日本の観光名所(秋田市、田沢湖、乳頭温泉など)を舞台にしたテレビドラマ「アイリス」が放映された影響で、「個人旅行者や団体ツアー客が多数、撮影地や周辺の観光地を訪れた」という。JNTOは、韓国人の訪日旅行そのものが回復基調に入っているとの認識も示している。
台湾は同7.3%減の8万9900人で、2カ月ぶりの減少。昨年、1月だった旧正月休暇が今年は2月に移ったため、その影響が出たと見られる。
旧正月休暇の移行の影響は中国や香港でも出ており、中国の場合、同16.4%減の9万2200人となった。前年割れは6カ月ぶり。香港は同34.5%減の3万500人と大きくダウン。
1月としては過去最高を記録したのはタイで、同13.5%増の9900人だった。(1)昨年下半期から1月にかけ行ったVJCの広告宣伝(2)北海道や東北など地方自治体が実施した観光セミナーや物産展(3)経済の回復──などが要因。
このほか、米国は同2.7%増の4万8600人、ドイツは同6.1%増の6900人、フランスが同0.6%増の8200人となっている。
一方、出国日本人数は同8.9%増の127万7千人で、6カ月連続の増加。主要通貨に対して円が高止まりを維持しており、「海外旅行に割安感が働いていることがプラス要因」としている。