渋谷区観光協会、トークイベント「奥渋から考える渋谷の観光」開催


 渋谷区観光協会などで構成する「渋谷の新しい観光を考える会」は9日、トークイベント「奥渋から考える渋谷の観光」を東京都渋谷区神山町の出版社兼書店「シブヤ・パブリッシング&ブックセラーズ」で開いた=写真。「奥渋(奥渋谷)」と言われるエリアでの開催に、地域住民、通勤や遊びで訪れる人々など30人以上が参加した。

 奥渋とは、渋谷駅から10分ほど歩いた閑静なエリアで、大人向けの雑貨店、カフェ、バーなどが立ち並ぶスポット。最近はインバウンド旅行客にも人気が高い。

 インバウンド観光地としての渋谷の問題点について、渋谷区観光協会事務局長の小池ひろよ氏は、「スクランブル交差点で写真撮影をするだけの『30分滞在』で、原宿や新宿に移動してしまう観光客も多い。ベッド数(ホテル数)が新宿と比べて圧倒的に少ないことも原因の一つだろう」と指摘。その上で「奥渋は、ガイドブックに載って観光客が増えたという場所ではない。ここに集うクリエーターやアーティストたちがソーシャルメディアなどで情報発信をすることによって、奥渋ブランドが確立されてきた。奥渋散策を含む渋谷の街の回遊ルートをつくり、インバウンド向けにも紹介していきたい」と語った。

 訪日外国人向けメディアMATCHAのインバウンド戦略部統括マネージャーのシーソンクラム・カオ氏は、「渋谷駅は出口が複雑で、初めて訪れる外国人には難しすぎる」と指摘。ホテル不足については「アジアのインバウンド客には、『狭いことで有名な日本人のマンションに泊まって、日本人と交流したい』という人も多い。日本文化体験というより日本人体験を望んでいる」と話し、ホームステイ型民泊の選択肢を提案した。

 カオ氏はさらに「インバウンドビジネスでは訪日客だけをターゲットにするとほぼ失敗する。日本人に受けているものに、外国人も共感して来客が増えるというスタイルが理想だ」と述べ、地に足の着いたマーケティングの必要性を強調した。

 トークイベントでは、会場のシブヤ・パブリッシング&ブックセラーズCEOの福井盛太氏も登壇。ネットメディア「シブヤ経済新聞」の西樹編集長が司会を務めた。

 
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