休業や施設消毒費用の補償拡大、新型コロナに対応 JTB旅連事業 代表取締役 石母田 豊氏に聞く 


石母田氏

 JTB旅連事業は、事故による休業や施設消毒費用に関する保険の補償内容を拡大し、新型コロナウイルス感染症を補償できるようにした。
 
 「食中毒等休業あんしん保険」と「災害時被災者対応保険のノロウイルスおよび特定感染症発生時施設消毒費用担保特約」について補償内容を変更した。休業あんしん保険は、食中毒や特定感染症の発生によって営業が休止、阻害され売り上げが減少した場合に保険金が支払われるもの。消毒費用担保特約は、病原菌やウイルスによる感染症のまん延・再発防止を目的とした施設の消毒、廃棄の費用などに対して保険金が支払われる。

 新型コロナウイルス感染症に起因する事故はこれまで補償の対象外だったが、補償の対象としている「特定感染症」に新たに「指定感染症」を追加し、新型コロナウイルス感染症を補償範囲に含めた。すでに加入している場合は、今年2月1日にさかのぼって補償。2月1日以降の加入は、その加入日以降を補償する。

 JTB旅連事業の石母田 豊代表取締役に話を聞いた。

加入施設を守るのが使命

 ――今回、補償内容の改定に至った経緯は。

 旅ホ連保険の加入施設から「休業補償や消毒費用などの保険で新型コロナは対象になるのか」という問い合わせが2月ごろから増えていた。確認すると補償の対象外だったので、「万が一の時に各施設を守るのが旅ホ連保険の使命だから、何とかならないか」と保険会社にお願いした。加えて、大西雅之社長(JTB旅ホ連会長)にも各方面への働き掛けを行っていただいた結果、今回、中途での約款改定に至った。

 私は18年の着任時に観光経済新聞のインタビューで「各施設のお役に立てるよう頑張っていきたい」と抱負を語ったが、今回のことは、JTB旅連事業として施設の皆さまに一定の役割を果たすことができたのではないかと考えている。

 ――緊急事態宣言を受けて休業した場合は補償の対象になるのか。

 食中毒も同じだが、各保険は、施設の中で事故が発生した時のリスクを補償するものだ。自主休業した期間の補償はできない。

 ――20保険年度(12月1日から)の新商品は。

 補償の範囲をもっと広げなければいけない。例えば、トコジラミでは、消毒費用を補償する保険はあるものの、消毒後に状況を確認するための売り止め期間の補償はカバーできていない。そういったところの補償をする保険を発売する。

 今、各施設が頭を悩ませているのが、カスタマーハラスメントだ。例えば、料理に髪の毛が1本落ちていたら従来は料理を取り替えればお客さまは納得してくれたが、最近は権利意識が強く、宿泊代をタダにしろなどと一定の枠を超えたクレームがものすごく増えている。そこでクレーム対応の弁護士費用を補償する保険も新しくリリースする。

JTB旅連事業 代表取締役  石母田 豊氏

 
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