【私の視点 観光羅針盤 423】地域貢献をしたいZ世代 吉田博詞


 春になり、新入社員が各所に入社したことだろう。特に新卒はZ世代ど真ん中であり、学生時代のほとんどをコロナ禍で過ごし、最後の1年にようやく大学生活を謳歌できた世代となる。このZ世代とは明確な定義は存在しないが、おおむね1990年代中ごろから2010年前後に生まれた世代を指すことが多い。現在、12歳から28歳前後の若者たちの総称である。

 Z世代の特徴として、一般的に(1)ネットリテラシーの高さ(2)SNSでの情報収集(3)コスパ・タイパ重視(4)社会課題への興味の高さ(5)自分らしさ尊重(6)多様性―等が挙げられる。一方、個性が強く仕事への向き合い方がこれまでと違うので、接し方に関して難しさが話題に挙げられることも多い。

 先日のリクルートじゃらんリサーチセンターの報告でも面白い結果が出ていた。宿泊旅行における意識クラスター分析では「地域体験交流タイプ」「地域訪問」「話題性重視」「効率・欲張り」「リピートなじみ」「計画」「こだわりなし」の7項目から、群を抜いて「地域体験交流タイプ」が一番高いカテゴリーになっている。「地域体験交流タイプ」は若年層ほど出現比率が高まり、Z世代男性は29.6%、女性15.8%で世代間ではもっとも高い。地域を訪れるだけではなく、体験・交流を通じた深いかかわりを求めている価値観を持った層が一番多いということだ。それも全体の中で「地域のためになること、貢献できることを選ぶ」という因子を意識した層が、男性で2019年31.1%→2023年40.6%、女性2019年15.2%→2023年23.7%と、この数年で拡大傾向にあるのも特徴のようだ。コロナ禍を経て、旅行のスタイルにおいて地域への関心が高まったことは非常に良い流れだ。

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