【データ】高校の修学旅行、重点を置いた活動は「歴史学習」


 日本修学旅行協会は、中学校、高等学校の修学旅行に関する動向を毎年調査し、その結果を教育旅行年報「データブック」として発行している。ここでは、昨年12月1日に発売された旅行年報「データブック2020」の「国内修学旅行の実態とまとめ(高等学校)」から「旅行先」と「重点を置いた活動」のデータを紹介する。

 今回の調査は2019年度に実施された修学旅行に関するもので、全国の高等学校4887校から3112校を抽出し(抽出率63.7%)アンケート調査。回答は1149校(回答率36.9%)からあり、その内訳は国立4校、公立709校、私立436校である。

 ●旅行先について

 旅行先の多い都道府県を20位まで表したのが表1である。カウント方法は、滞在時間に関係なく、例えば滞在が半日であっても、2日であっても、初日と3日目であっても行った旅行先を「1」としている。

 旅行先のトップは前々回、前回に引き続き沖縄県で、2位大阪府、3位京都府、4位東京都、5位奈良県の順である。8位までの旅行先は3年間変動がないが、今回は大阪(2位)と東京(3位)、奈良(5位)と千葉(6位)の順序が入れ替わった。旅行先に選ばれる要因としては、沖縄県は平和学習やマリンスポーツ体験など、東京都は首都の観光・学習、京都府、奈良県は寺社などの歴史学習、大阪府、千葉県は人気のテーマパーク、北海道は自然体験の豊富な素材などが主な要因であろうか。震災の影響があった熊本県は16件で18位である。同じく震災の復興が進む東北各県へは、福島県が12件、宮城県4件、岩手県3件、山形県2件、計21件で、前回(20件)よりわずかに増加している。今後も震災学習を含めた東北地方や熊本県への修学旅行が積極的に検討、実施されることを期待したい。

 ●重点を置いた活動

 修学旅行で重点を置いた学習や体験を分類した分類別件数・比率を見ると、「歴史学習」が627件(28.6%)で最も多く、次いで「平和学習」が344件(15.7%)、「スポーツ体験」が291件(13.3%)で、この3分野で全体の57.6%となっている。

 重点を置いた学習や体験の具体的な活動内容を三つまであげてもらったものが表2である。1位「遺跡、史跡、文化財、寺社などの見学」と2位「平和学習」が3年間変わらず、4位「スキー、スノーボード」、5位「伝統的町並み見学」が毎回上位にきている。かつて重点を置いた活動であった「博物館などの見学」が、ここ数年で大きく順位が下がっていたが、今回3位と順位を上げた。

 進路やキャリア教育としての「職場訪問・職場体験」は6位、「自然や野外活動」と「マリンスポーツ」が7位、民泊などによる「いなか暮らし体験」が9位、「伝統文化・伝統芸能や祭り体験」が10位で順位が変動している。「防災・震災学習」は昨年と同じく15位。

 活動内容は多岐にわたっており、各学校が実態に応じてさまざまな学習や体験に重点を置いていることがうかがわれる。



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