バス会社対象のマーケティング事業を行う高速バスマーケティング研究所(横浜市港北区)が主催するバス業界向けセミナー「高速バス・マネジメント・フォーラム」が12日、東京都内で開かれ、全国のバス会社などから150人が出席した。
講演ではまず、元楽天トラベル執行役員で、OTA(ネット旅行会社)の百戦練磨(仙台市青葉区)社長、上山康博氏が登壇。インターネット利用は観光業界では避けて通れないと強調するとともに、バス業界は運輸・宿泊施設の中で、ネット販売で最も遅れを取っていると指摘。ネット活用の推進に加え、人口減の中、外国人の利用を増やす必要を訴えた。
SNSを使った旅行サービスを提供するトリッピーズ(東京都渋谷区)執行役員の吉田祐輔氏は、主に一人で旅行する若者を対象に、SNSの意見を吸い上げて旅行を計画し、催行まで行う同社の事業を紹介。
全国各地でアウトレットモールを展開する三菱地所・サイモン(同千代田区)の小竹賢氏は、直行高速バスによる送客の現状を示し、外国人が増えている現状から、バス会社のホームページや予約システムの多言語化を要請した。
上山、吉田、小竹各氏はそれぞれ出席者に対し、自社とバス会社との協働の実現を強く訴えた。
その後、群馬県北部を営業エリアとする東武グループの関越交通(同県渋川市)の佐藤俊也社長が、グループの鉄道や旅行会社との連携による誘客策を紹介した。
同フォーラムでは、運転手不足解消や人材育成についての提案・解説も行われ、出席者が熱心に聞き入っていた。
フォーラムの様子