高速ツアーバスを企画販売する旅行会社や運行バス会社55社は2日、高速ツアーバス業界としては初めての業界団体「高速ツアーバス連絡協議会」を設立した。高速ツアーバス商品にかかわる事業者が一体となり、バスの安全運行に取り組むのが狙い。協議会が中心となり安全に関するガイドラインを定め、この順守を図るほか、監督官庁である国交省との協議や調整なども行う。
会長には高速ツアーバスを運営するオリオンツアーの橋本文雄・オリオンツアー取締役が就任。副会長には、村瀬茂高・ウィラートラベル代表取締役、上村秀一・ロータリーエアーサービス常務取締役が就いた。このほか、協議会は、理事を8人、監事を1人おいた。事務局は高速ツアーバスの受託販売を行う楽天バスサービス内に置いた。参加事業者の内訳は、旅行企画実施会社29社、バス運行会社21社、受託販売会社5社。橋本会長は同日開いた会見で、「安全の確保を第一に取り組んでいきたい」と意欲を語った。
同協議会では、バス運行会社など会員の所属カテゴリー別に分科会を設置するほか、(1)教育・研修(2)業界標準ルール(3)情報発信(4)渉外──の4つのワーキンググループをつくり、課題や問題点、業界情報の提供などを進める。
また同日には「安全協働体制ガイドライン」を制定。ガイドラインには、企画実施会社とバス運行会社が旅行業法や道路運送法などの互いの関係法令を理解し合うことや、3者が事故や災害、事件などに遭難した場合の協力体制を構築し、情報を共有し合うことなどを盛り込んだ。
事務局によると、高速ツアーバス市場は現在、年間約250〜300万人を輸送、企画実施会社は約40社ある。バス運行会社の数は明確ではない。
同協議会では今後も高速ツアーバス事業に携わる事業者に対し広く同協議会への参加を呼び掛ける。
会見する橋本会長(中央)と、上村副会長(左)、村瀬副会長(右)