高円宮殿下記念地域伝統芸能賞に長浜曳山まつり


高円宮殿下記念地域伝統芸能賞を受賞し、中村会長(左)から表彰される長浜曳山文化協会の関係者

 国内外の伝統芸能が集まる「日本の祭りinながはま」が10月29、30日、滋賀県長浜市で開かれた。市中心部や長浜文化芸術会館などの4会場には多くの見物客が訪れ、熱気に包まれた。高円宮殿下記念地域伝統芸能賞には「長浜曳山まつり」の保存・継承に努める長浜市の長浜曳山文化協会が受賞した。

 地域伝統芸能活用センター、長浜市など主催。24回目の今年はタイや台湾を含め、30を超える団体が参加した。当初は同センターの名誉総裁、高円宮妃久子さまが出席される予定だったが、三笠宮崇仁さまの逝去に伴い取りやめとなったものの、「お言葉」を寄せられた。

 29日、さざなみ会場(長浜文化芸術会館)で開催記念式典があり、同センターの中村徹会長は「伝統芸能の楽しさを堪能していただき、(大会が)観光や商工業の振興に寄与することを期待している」とあいさつした。

 藤井勇治長浜市長は、曳山まつりが11月にもユネスコ無形文化遺産に登録される見込みであることから「登録されれば国内外に向けて広くアピールしていきたい」と抱負を述べた。このほか、三日月大造滋賀県知事が歓迎のあいさつ、観光庁の田村明比古長官が来賓祝辞を述べた。

 表彰式後の公演では、公募で選ばれた小学生の2人が曳山まつりの「二人三番叟」を披露したほか、小倉祇園太鼓や河内音頭、山形花笠まつりなどが上演された。

 まちなか会場(市中心部)では通りを通行止めにして、延長170メートルのレッドカーペットが敷かれ、各地の祭りがお目見え。観光客らは盛んにカメラのシャッターを切っていた。

 曳山まつりは、長浜城主だった豊臣秀吉が男の子が生まれたことを祝い、城下の人々に金を振る舞い、町民がこれをもとに山車を作って八幡宮の祭礼に曳き回したことがはじまりと伝えられている。曳山の舞台では「子ども歌舞伎」が5歳から12歳ぐらいまでの男の子によって演じられ、祭り最大の呼び物となっている。

 その他の受賞団体は次の通り(敬称略)。

 【地域伝統芸能大賞活用賞】小倉祇園太鼓保存振興会=福岡県北九州市

 【同支援賞】鹿沼の名匠(沢田了司、乾芳雄、宇賀神久男、黒崎孝雄)=栃木県鹿沼市

 【同保存継承賞】徳丸北野神社田遊び保存会、赤塚諏訪神社田遊び保存会=東京都板橋区

 【同地域振興賞】八尾河内音頭まつり振興会=大阪府八尾市

 【地域伝統芸能奨励賞】米本太郎=山口市

高円宮殿下記念地域伝統芸能賞を受賞し、中村会長(左)から表彰される長浜曳山文化協会の関係者

 
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