首相、所信表明演説で観光への投資拡大を強調


 臨時国会が9月26日に召集され、安倍晋三首相が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。地方創生の中で「観光立国」について触れ、訪日外国人旅行者数4千万人の目標達成に向けて、観光分野への投資を拡大する考えを示した。

 クルーズ船受け入れのための港湾整備、地方空港の機能強化などへの投資を大胆に推進する方針を示したほか、最先端技術の導入で入国審査手続きの待ち時間を短縮するなど、「世界一の出入国管理体制」を整備すると表明した。

 「観光立国」以外では、「災害復旧・復興」の中で、東北地方の外国人宿泊者数が昨年、震災前の水準を上回ったことに触れ、「『観光先進地・東北』を目指し、新たなチャレンジを支援する」と述べた。

 「観光立国」部分の演説(全文)は次の通り。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇

 宮崎の油津港では、海外からのクルーズ船が、4年前の3倍に増えました。英語での観光案内を地元の高校生たちが買って出るなど、地域に活気が生まれています。

 旅行収支が、昨年、史上初めて1兆円の黒字となりました。外国人観光客は、3年間で2倍以上に増え、本年、過去最高、2千万人を大きく上回る見込みです。

 次は、4千万人の高みを目指し、観光分野に大胆に投資します。

 岸壁の整備、客船ターミナルの建設など、クルーズ船受け入れのための港湾整備を進めます。滑走路の増設など地方空港の機能を強化します。那覇空港や高松空港では、来月(10月)から入国審査手続きの一部を事前に行うバイオカートを導入し、審査待ち時間を最大3割短縮します。最先端技術を積極的に活用し、世界一の出入国管理体制を整えてまいります。

 2018年を目途に、3大メガバンクのATMコーナーの半分、3千台で、海外発行のカードを使えるようにします。クレジットカードのIC対応を義務化し、外国人観光客の皆さんが安心して決済できる環境を整えます。

 世界一安全な国創りも欠かせません。多くの若者たちの将来を奪った軽井沢スキーバス事故の教訓を踏まえ、貸し切りバス事業への監査機能を抜本的に強化し、許可更新制を導入します。

 ホテルなどの建設を後押しするため、本年から容積率規制を大幅に緩和しました。Wi―Fiの整備なども支援します。「観光インフラ整備プログラム」を年内に策定し、外国人観光客4千万人時代を見据え、投資を加速してまいります。

 
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