
阿蘇の大自然を一望できる熊本県阿蘇市の「阿蘇の司ビラパークホテル&スパリゾート」。営業部の水田浩二氏は「5年前の熊本地震のときも厳しい状況だったが、現在の方がまだ前向きに営業できる」と語る。以前から防疫体制を構築していたが、コロナ禍を機により強化。「万全の新型コロナウイルス対策で自信を持っておもてなしできている」と強調する。
客室をはじめ館内の清掃、消毒、除菌には微酸性電解水を導入した。浴場の湯は、2時間から3時間に一度入れ替えている。枕インナーカバーを独自に作成し、ピローカバー内にビニール掛けを行い、毎回取り替える。スタッフの体調管理も徹底し、「少しでも発熱があったり、不調だったら休んでもらう」と水田氏。
密になりがちなのは朝食時とチェックアウト時だ。朝食時には宿泊者に分散して食事会場に行ってもらうよう努める。チェックアウト時に関しては、ルームキーを受け取るだけの作業で済むよう、館内放送で宿泊者に先に精算を済ませてもらうことを促すなどの工夫をしている。
地元の観光連盟とともにウイルス対策をまとめた動画を作成し、同館を含めた地元の防疫態勢を宿泊者や全国に向け発信している。
個人客に加え、修学旅行の受け入れも多い同館だが、「学校を受け入れるためのマニュアルを新たに作成した。コロナ禍で行き先が変わり、初めて当館を利用してくれた学校も多数あり、好評を頂戴した」と水田氏。ウイルス対策を継続しながら、当面は県内、九州地方各県からの誘客を図る。