長野県観光機構が発足、DMOの役割担う


 長野県全体の観光地経営を担う「長野県観光機構」が1日に発足した。県内の市町村、観光振興団体、企業などが加盟する信州・長野県観光協会の法人名を変更し、組織改正を実施して体制を刷新した。観光庁の「日本版DMO」候補法人登録制度に登録された一般社団法人。長野県の観光のかじ取り役として、マーケティング機能、観光地域づくりを強化する。

 組織は、事業統括本部の下にマーケティング局と総務局の2局体制。マーケティング局には国内誘客推進部、インバウンド推進部、企画調整部を置く。マーケティング局長には、八十二銀行(本店・長野市)から深山達也氏を迎えて、マーケティング機能の強化を目指す。

 理事長は、前身の協会に引き続き長野県経営者協会観光委員会委員長の野原莞爾氏が務める。事業統括本部長には、事務局長を務めてきた原一樹氏が就任した。

 短期的な事業の推進と同時進行で、来年度からの中期計画を策定する。各種データの収集分析、戦略の策定、KPIの設定、PDCAサイクルの確立など、科学的なアプローチに基づいた観光地域経営を目指す。

 事業統括本部の原本部長は「県レベルのDMOには、地域のDMOとは異なる機能が求められる。果たすべき役割を確立し、長野県の観光の『稼ぐ力』を高めていきたい。会員からの要望はもとより、旅行会社など関係者の提案なども生かしていきたい」と話す。

 事務所は引き続き長野県庁に置くが、マーケティング局の企画調整部とインバウンド推進部、総務局の物産振興部は県庁前のクロススクエア長野県庁前ビル2階に置く。

 
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