
パネルディスカッション
国土交通省近畿運輸局(岩城宏幸局長)は12月24日、「宿泊業における人材確保を考えるシンポジウム~サスティナブルな宿泊業をめざして~」を大阪成蹊大学(大阪市)で開いた。宿泊業での人材不足が課題となっている中、旅館・ホテルの経営者や大学教員らが参加、宿泊業の労働市場の現状や離職防止策など、課題解決に向けた方策などについて知見を深めた。
働き手、働き方多様に
基調講演では、リクルートジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長が「宿泊業を働き手の視点から見て~宿泊業就業者の現状と課題解決への一歩を考える~」をテーマに講演。宇佐川氏は人材確保のためには、離職防止対策と求職者を知ることが重要と指摘。特に他業種に比べ20代以下の就業率が高いプラスの状況と、その一方で離職率も高くなっている現状を紹介。コロナ禍を経て、就業者の志向が、仕事よりも家庭生活などの「ライフ」寄りにシフトしたままになっているとのデータや、潜在労働者である子育て女性層やシニア層の希望労働条件などを説明。「すきま時間」を使ったプチ勤務の活用可能性などを指摘した。
次いで厚生労働省大阪労務局職業安定部職業安定課の遠矢あき氏、紀陽銀行地域創生部市域創生担当の福田達仁氏が「金融×観光の視点で考える人手不足」をテーマにそれぞれの取り組み内容や事例の紹介を行った。
パネルディスカッションには、パネリストとして宇佐川氏、福田氏のほか、綿善旅館おかみの小野雅世氏、ホテルオークラ神戸の石垣聡社長、和悦会浜特別養護老人ホームの水谷紀江氏が登壇。大阪成蹊大学国際観光学部国際観光学科学科長の松田充史教授をコーディネーターに、離職防止策と従来取り込めなかった人材の取り込みをテーマに意見交換を行った。
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