観光庁はこのほど、訪日外国人を対象にした旅行受け入れ環境に関するアンケート調査の結果をまとめた。旅行中に「困ったことはなかった」が36.6%に達したが、困ったことの上位には「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」「無料公衆無線LAN環境」「公共交通の利用」「多言語表示の少なさ・分かりにくさ」が挙がった。
「観光先進国」の実現に向け、訪日外国人旅行者がストレスフリーで快適に旅行できる環境を整備しようと、2016年度、17年度に続き調査を実施した。成田、羽田、関西、福岡の4空港で4037人の回答を集めた。
「困ったことはなかった」の回答は36.6%で、前々回調査時の30.1%、前回調査時の34.8%から上昇した。困ったことに挙げられた項目別の結果も、過去の調査と比べると、ほとんどの項目で改善に向かっている。
旅行中困ったことのトップは、過去の調査に引き続き「施設等のスタッフとのコミュニケーション」で前々回調査と比べると12.3ポイント改善しているが、20.6%となった。その困った際の場所は、観光地が58.1%、公共交通機関が47.5%、宿泊施設が26.7%など。
「無料公衆無線LAN環境」は前々回調査から10.0ポイント改善したが、18.7%だった。その困った際の場所は、観光地が63.8%、公共交通機関が55.5%で、宿泊施設が18.0%などだった。
困ったことに「公共交通の利用」を挙げた割合は16.6%。交通機関別では、在来線が22.7%、バスが20.7%、新幹線が16.6%、タクシーが12.0%などだった。
交通機関では、在来線、バス、新幹線の困った理由は、「構内、乗り場、車内の利用」「駅での切符/ICカード購入」「ルート検索」などが挙がった。タクシーでは「目的地の指定/移動中のトラブルへの対応がうまくできなかった」「タクシーが捕まらなかった/捕まえるのに時間がかかった」といった回答が多かった。
決済関係で困ったことでは、「クレジット/デビットカードの利用」が前々回調査比で3.6ポイント改善し、10.0%となった。前回調査比で困った割合が唯一上昇した項目は、QRコード決済などの「その他決済手段」で5.5%となった。