観光経済新聞社主催「人気温泉旅館ホテル250選」、厳粛に認定証授与式


500人の出席者でにぎわった2017年度認定証授与式

過去最高の500人が出席

 観光経済新聞社は1月25日、東京の浅草ビューホテルで「2017年度人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」を開いた。入選旅館・ホテルに認定証、通算5回以上入選の旅館・ホテルに「5つ星の宿」の認定証を授与したほか、250選と同時に実施の「にっぽんの温泉100選」のベスト3と特別賞受賞の温泉地を表彰した。祝賀パーティーでは観光庁の米村猛・観光地域振興部長らが祝辞。自民党の二階俊博幹事長(全国旅行業協会会長)は全国の旅館・ホテル経営者らを激励するビデオメッセージを寄せた。式には過去最高の約500人が出席した。

 主催者を代表して観光経済新聞社の積田朋子社長(にっぽんの温泉100選・人気温泉旅館ホテル250選実行委員長)は「全国の旅館・ホテル数は約4万軒。その中で選ばれた250軒は日本で最も人気のある優れた宿ということになる。旅館業界は民泊新法の施行や人手不足など厳しい環境にさらされているが、観光が政府の成長戦略の一つに掲げられ、明るい展望が見えている。今こそ伝統文化を大切に、経営理念を明確にし、利益を上げられる体質づくりに挑戦すべきだ」とあいさつ。

 事業を後援する観光関係8団体で組織する実行委員会を代表して日本観光振興協会の久保田穣副理事長が今回の250選・100選の選定経過を報告した。

 表彰に移り、まず、にっぽんの温泉100選のベスト3を表彰。1位の草津温泉(群馬県)からは同温泉観光協会の中澤敬会長、市川薫副会長、湯の華会の小林由美会長が登壇した。

 中澤会長は「15年連続1位の栄えある受賞をうれしく思う」とする一方、1月23日に発生した白根山噴火による温泉地への影響に触れ、「草津温泉は白根山と約7キロ離れており、規制の範囲外だが、かなりの風評被害が出ている。現実を直視し、われわれは一丸となって、(風評被害払拭へ)一生懸命取り組む」と語った。

 2位の下呂温泉(岐阜県)からは、同温泉観光協会の瀧康洋会長が登壇。「初めての2位獲得は皆さまのご指導のおかげ。今後、マーケットの動きをしっかり捉え、お客さまの滞在時間を伸ばすことに力を注いでいきたい」と述べた。
3位の別府八湯(大分県)は受賞予定者が欠席のため表彰状を郵送した。

 実行委員会特別賞は城崎温泉(兵庫県)と熱海温泉(静岡県)が受賞した。式典に出席した城崎温泉観光協会の芹澤正志副会長は「名誉な賞をいただき感謝している。城崎温泉は全ての住民が共存共栄の精神でお客さまをおもてなししている。この心が賞につながったのではないか」と述べた。同温泉は地域連携による観光客誘致施策の強化、インバウンド人気の高まりが実行委員会から高い評価を得た。

 人気温泉旅館ホテル250選の入選施設には認定証、通算5回以上入選の施設には「5つ星の宿」と表記した特別の認定証を授与した。5つ星の宿に認定されたのは今回227軒。壇上では北海道から九州まで全国6地区の代表に積田社長から認定証が贈られた。

 250選・100選は、全国の旅行会社社員らによる温泉旅館・ホテル、温泉地の人気投票。昨年7~10月の投票期間に8874枚の投票はがきが寄せられ、本社内の事務局で集計ののち、得票の多かった上位を12月1日開催の審査会で実行委員に報告、承認を得た。

 後援の観光関係8団体は、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本観光振興協会、日本政府観光局(JNTO)、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、公益財団法人日本交通公社。2013年度からは観光庁が後援している。

二階氏がメッセージ

 「人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」第2部の祝賀パーティーには、国会など公務で出席できなかった自民党の二階俊博幹事長(全国旅行業協会会長)が旅館経営者らを激励するビデオメッセージを寄せた。観光庁の米村猛・観光地域振興部長ら来賓は会場であいさつした。

 二階幹事長は「250選に選出された旅館・ホテルの関係者に心からお祝いを申し上げる」と述べたあと、「観光が明るくなれば、世の中は必ず明るくなる。これまで培ってきた長年の経験と英知を結集して、地方からの観光立国、観光産業の発展を図ることが大切だ」と、観光立国の実現へ、250選入選旅館・ホテルの一層の奮起を促した。

 観光庁の米村部長は「昨年1年間の訪日外国人旅行客は2869万人で対前年約2割の増。消費額は4兆円を超えた。皆さまが日々努力された結果だと思う」と旅館・ホテル関係者に謝意。「地域活性化の要として、皆さま方に引き続きがんばっていただきたい。観光庁としても最大限の努力をしてまいりたい」と、地方の観光振興、インバウンドを含めた誘客にさらなる意欲を示した。

 日本政府観光局(JNTO)の松山良一理事長は「インバウンドが好調に推移している。今後は観光の質の向上と地方への誘客が大事になる。体験へのニーズが高まっているが、日本の温泉と旅館はその大きな要素で、本日お集まりの皆さまへの期待がますます高まってくる」。

国連世界観光機関駐日事務所の本保芳明代表は「2022年の延べ宿泊者数は日本人と外国人が1対1になる予想だ。旅館・ホテルも外国人対応をさらに真剣に考えていかねばならない」。

 日本旅館協会の針谷了会長は乾杯の発声、立教大学の前田勇名誉教授は中締めのあいさつを行った。

 
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