観光庁の認知度、いまひとつ


 内閣府が発表した「観光立国と観光庁に関する特別世論調査」で、10月に発足した観光庁について「名前も内容も知っている」と答えた人は約1割に過ぎないことが分かった。発足からわずか半月後の調査とはいえ、知名度不足は否めず、積極的な情報発信が必要なようだ。また、国内旅行に行く条件では「宿泊料や入場料などが安いこと」と挙げる人が半数を超えた。

 調査は10月中旬、全国の20歳以上の男女3千人を対象に実施。有効回答数は1853件(回収率61.8%)。観光庁について「名前も内容も知っている」との答えは10.8%に過ぎず、「名前も内容も知らない」は64.1%に達した。

 官民挙げて訪日外客増に取り組んでいることもあってか「外国人旅行者が増えた」と感じている人が80%に上り、「減った」の5.9%を大きく上回った。

 外客が増えることについて(複数回答)、「国際交流が進み相互理解が深まる」が50.7%だったものの、「治安の面から不安、何らかの対策が必要」も51.8%あり、評価が分かれた。

 さらに増やすために重要だと思う施策を聞いたところ、「日本の魅力のさらなるPR」が51.3%ともっとも多く、以下「空港や駅、観光地、宿泊施設での外国語による案内、応援の充実」(47%)、「外国人に対応した宿泊施設の整備」(33.9%)の順。

 調査では「旅行に行きたいと思えるようになるための条件」も聞いた。59.6%の人が宿泊料や入場料の安さを挙げており、景気低迷による節約志向がうかがえる。次いで、「移動手段が安いこと」(47.7%)、「魅力的な宿泊施設(温泉を含む)であること」(40.4%)、「家族と一緒に休みがとれること」(39.7%)が続いている。 

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