観光庁、日本縦断のスイス人男性に感謝状


溝畑長官(右)とともに感謝状を披露するトーマスさん

溝畑長官(右)とともに感謝状を披露するトーマスさん

 昨年3月11日の東日本大震災以降、日本を訪れる外国人旅行者が減少している状況に心を痛め、日本が安全なことを世界に向け情報発信しようと、スイス人の男性が行動を起こした。男性は徒歩で日本列島を縦断、各地の風景や出会った人々をブログで紹介してきたが、この功績を観光庁が高く評価、6日、東京・南麻布のスイス大使館で感謝状を手渡した。

 この男性はトーマス・コーラさん(44)。1997年、日本語を学ぶため埼玉県深谷市のシブサワインターナショナルスクールに入学。日本文化にも興味を持ち、日本とスイスを頻繁に往復するようになった。

 スイスではチューリヒにあるジャルパックに務め、日本ツアーを担当。その後、大手ツアーオペレーター会社に就職し日本担当となったが、震災の影響で仕事が減少、解雇された。再就職のあてもあったが「大好きな日本に恩返しをしたい」と思い立ち、列島縦断の旅に出た。

 昨年8月1日に北海道の宗谷岬を出発、新潟県の糸魚川などを経て、12月31日に鹿児島県の佐多岬に到着した。歩いた距離約2900キロ。道中、日本語、英語、独語のブログを毎日更新し、日本の姿を発信し続けた。アクセス数は13万件を超えたという。

 ウルス・ブーヘル駐日大使は、「トーマス氏の行動はたたえられるべきものだ。彼のおかげで、世界の人々が、日本が観光やビジネスに向いていることを知り得た」と強調。感謝状を手渡した溝畑宏観光庁長官は「日本の今の姿を広く世界に伝えてくれたことに心から感謝したい。われわれ日本人にも改めて日本の良さを気付かせてくれた」と述べた。

 トーマスさんは「スイスに戻って日本にツアーを送る仕事に就きたい。宗谷岬と佐多岬から同時にスタートし、中間点の糸魚川で合流、交流を深めるツアーを作りたい」と夢を語った。

溝畑長官(右)とともに感謝状を披露するトーマスさん
溝畑長官(右)とともに感謝状を披露するトーマスさん
 
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