経済産業省は11月30日、福島県の「奥会津昭和からむし織」など5品目を伝統的工芸品に指定したと発表した。これにより、伝統工芸品は230品目となる。観光面でも活用できそうだ。
指定されたのはからむし織のほか、千葉県の「千葉工匠具」、東京都の「東京無地染」、富山県の「越中福岡の菅笠」、愛知県の「三州鬼瓦工芸品」で、伝統工芸品産業の振興に関する法(伝産法)に定める伝統工芸品となる。
からむし織は昭和村で生産されている織物。からむしはイラクサ科の多年草で、苧麻(ちょま)ともいわれ、昭和村では上布の原材料となる上質なからむしが途絶えることなく生産されている。夏の衣料をはじめ、小物や装飾品などに用いられている。
菅笠は高岡市などで生産されている縫い笠。江戸時代以降に生産が本格化したという。良質の菅草を生かした制作技術により、農作業での日除け・雨除けや、日本各地の伝統行事・祭りなどの道具で使用されている。
伝産法に基づき、伝統工芸品に指定されるには、(1)日用品であること(2)伝統的な(100年以上)技術・技法であること(3)一定の地域で産地形成がなされていること―など五つの要件を満たすことが必要。