経済産業省・中小企業庁は26日、新型インフルエンザの影響で、予約の大量キャンセルなどで苦しむ旅館・ホテル業、旅行業など観光関連事業者を救済するため、元本返済猶予に前向きに取り組むよう、公的金融機関に要請することを決めた。これに先立つ22日には金融支援対策特別相談窓口の設置など、中小・小規模事業者対策を打ち出しており、政府の支援体制が動き出した。
金融機関への要請は元本返済猶予のほか、経済対策で拡充された措置も活用するよう求めた。具体的には無担保での8千万円を超える資金ニーズへの弾力的対応と、据え置き期間を上限1年から2年に延長する。
また、緊急保証を受けるには直近3カ月平均の売り上げ減データが必要だが、事態の深刻さを考慮し「影響が推測できる一定の場合は利用可能」(中企庁金融課)とするよう働きかける。
22日の対策は二階俊博経産相が記者会見で明らかにした。
インフルエンザの流行で資金繰りへの影響が懸念されていることに対応し、政府系金融機関や信用保証協会、商工会議所など全国約900カ所に「新型インフルエンザに関する中小企業金融支援対策特別相談窓口」を設け、経営上の相談に応じることにした。
また、影響を受けている中小企業にセーフティネット貸し付け(経営環境変化対応資金)が利用できるようにするほか、「返済猶予等既住債務の条件変更、貸し出し手続きの迅速化など、企業の実情に応じて対応する」としている。
二階経産相は「中小・小規模企業の損害を最小限に食い止めるため、全力を拳げて対応したい」と強調した。