爆破の前で写真・ビデオ撮影
コロナ収束後のインバウンド旅行客増を見据えて、特色のある新しい体験コンテンツの開発が各地で進んでいる。
セットアップジャパン（栃木県小山市）は「聖地・岩船爆破体験ツアー」を企画。今年6月6日と7月22日の試験実施を経て、10月31日に60人を集客、実施した。
栃木県栃木市の岩船山は江戸時代から1960年ごろまで岩船石が採掘されていた場所。採石場跡地は、荒々しく削り取られた岩肌を背に舗装されていない地面が広がり、1970年代の後半以降は、戦隊ヒーローものや刑事ドラマの爆破シーンの撮影などに使われてきた。
リクルート（じゃらん）時代に地域振興に携わっていた同社の佐山輝社長は、Ｕターン起業後、地元を活性化する起爆剤にと同ツアーを発案。自社の日本語・英語サイトや、体験予約サイト「ＷＡｍａｚｉｎｇ Ｐｌａｙ（ワメイジングプレイ）」などで販売した。1枠（組）の参加料が3万5千円の高額体験ツアーにもかかわらず、午前2回・午後1回実施で各回限定10枠の全30枠はほぼ完売。当日は、ＮＨＫ番組「ＣＯＯＬ ＪＡＰＡＮ～発掘！かっこいいニッポン～」と日本テレビの取材も入った。
ハロウィン当日だったこともあり、赤青緑の戦隊ヒーローやセーラー服、アニメキャラなど思い思いのコスチュームに身を包んだ参加者たちが、ナパーム爆破の炎とセメント爆破の煙の前で写真や動画の撮影を楽しんだ。
今回の参加者は、在日米国人1組を除いて全て日本人だったが、佐山社長は「高額体験ツアーということもあり、最初からインバウンド誘客を念頭に置いている。岩肌のバンジージャンプなども組み合わせた“アクティビティ・ワンダーランド”を目指す」と意欲的だ。次回の爆破体験ツアーは12月4日に行う。
インバウンド観光プラットフォーム事業を行うＷＡｍａｚｉｎｇ（東京都台東区）の加藤史子社長は、ゾンビ花嫁のコスプレ（＝写真）で自ら参加。「高単価、限定感、プレミアムのキーワードで体験予約サイト『ＷＡｍａｚｉｎｇ Ｐｌａｙ』を今年4月に立ち上げた。『ウミガメの産卵調査体験＆子ガメ観察会』『第2海堡上陸見学クルーズ』などが人気商品。現在は日本人向けの販売でラインアップの強化を進めている。台湾・香港からのインバウンド客は来年4月以降に戻ると想定している」と話した。
セットアップジャパンの岩船山爆破体験ツアーは、旅行会社やＶＩＰ向けに「貸切プラン」も用意している。
