栃木県の湯西川温泉旅館組合(組合長=伴久一・伴久ホテル会長)は10月31日、11月1日の2日間、東洋大学(東京都文京区白山)の学園祭「第46回白山祭」で、集まった学生らに湯西川温泉をPRするイベントを開いた。同大で観光を学ぶ学生らの協力を得て実施した企画。同旅館組合では、今後の温泉地づくりにも大学生ら若者の意見を取り入れていきたい考えだ。
同大学国際地域学部国際観光学科の梁春香教授のゼミ・研究室に所属する大学生・大学院生らと連携。同旅館組合と同大が共同で行ってきた産学連携プロジェクトの報告会や、音楽に合わせて帯をしめていく湯西川温泉の伝統芸能「着付け舞」の披露、栃木県名産のとちの実を使った「とちもち」の調理販売、山菜類の販売などを行った。調理、販売、宣伝はすべて学生たちが行った。
湯西川温泉地域の観光振興について、大学・大学院で観光を学ぶ20代の学生の視点から研究、アドバイスをしてもらおうと、同組合は東洋大学と提携。09年8月に第1回湯西川観光振興産学連携会議を開いたのを皮切りに、これまでに同連携会議を3回、現地調査会を2回開催した。
白山祭の報告会では、これまでの現地調査を踏まえた現状分析、東洋大学生に対して行った湯西川温泉の認知度・イメージ調査の結果、湯西川温泉の活性化と観光客誘致に関する提案を梁教授のゼミ生・研究室院生が発表した。
東洋大学との産学連携プロジェクトについて伴組合長は「これまで行政やさまざまなコンサルタントから地域活性化についての提案を受けてきたが、若者の視点が反映されているかどうか疑問だった。大学との連携により、若い20代の感性をこれからの地域づくりに生かすことができるはず」と語り、今後の展開に期待を込めた。
着付け舞を学生に披露