新潟県阿賀町の宿泊施設「ホテルみかわ」はこのほど、温泉熱と井戸水を使った省エネルギーシステムを導入、3月14日から稼働を始めた。温泉排水の熱を利用して給湯と暖房を、井戸水を利用して冷房を行うもので、ホテルでは年間の水道光熱費を従来の約20%、CO2の排出量を約50%削減できるとみている。システムの導入に当たっては、環境省から導入費の50%の補助を受けている。
ホテルは客室数18室、85人収容。客室のほか、コンベンションホール、大小宴会場、多目的ホール、2カ所の大浴場、レストラン、プール、トレーニングルームなどの施設を持つ。本館2階建て、別館3階建てで、延べ床面積3855平方メートル。町が所有し、町が100%出資する運営会社が運営する施設。
システムは、大浴場の浴槽からあふれ出る温泉の排水を利用するもの。約35〜40度の排水からヒートポンプを使い65度の湯を作り出し、2カ所の大浴場などに供給する。あふれ湯の熱はエントランスホールや売店、食堂など、客室以外のパブリック施設の暖房にも利用する。またパブリックの冷房用水には井戸水を利用する。
同館では給湯には灯油ボイラー、空調には電気を利用していた。ホテルでは新システムにより、水道光熱費は年間2100万円から1700万円へ、約20%削減。CO2の排出量も従来の半分の年間100トンを削減できるとみている。
システム設置の総事業費は約9480万円。設置に当たり、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業で、設置費用の50%の補助を受けた。
導入した省エネシステム