書評「まち歩きが観光を変える」


 10年間で1割以上落ち込んだ観光客数を底上げするために企画された市民主体の地域活性化イベント「長崎さるく博」。日本初のまち歩き博覧会は1千万人以上の参加者を集め、3万人近い市民がかかわった。市民主体という理念に真正面から取り組み、一昨年の本番終了後も引き継がれて現在も進行している。

 その構想から実施までをイベントプロデューサーという役割でいかに実現し、市民力を高めるに至ったのかを克明に語った。

 発刊目的の1つには「地域活性化イベントを企画し、プロデュースしていくのに伴う作業を、さるく博を1つの例として手順を示したかった」と著者。地域の人々がイベントを立ち上げようとする場合に格好の見本となると考えたからだ。

 発行=学芸出版社(TEL075・342・2600)。四六判で192ページ。定価は1680円(税込み)。

 
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