日本秘湯を守る会、JTBガイアレックと協業へ 


あいさつする星会長

 日本秘湯を守る会(佐藤好億名誉会長、星雅彦会長)は12月18日、第45回定時社員総会を静岡県・熱海温泉の大観荘で開いた。総会には169人の社員から89人が出席。朝日旅行清算後の4月1日以降は、組織をJTBガイアレックに引き継ぐ方針など20年度事業計画案の発表のほか19年度の収支予算案の承認、事業報告を行った。

 冒頭、佐藤名誉会長が朝日旅行解散について言及。「会は大手エージェントが扱いきれない小規模の旅館が集まる一つの集団として45年前に始まり、朝日旅行と両輪で進んできた。しかし、時代の流れや求められる数値が達成できなかった結果、最大のパートナーを失うこととなった。次に何を残すかを話し合わなければならない」と述べた。JTBガイアレックとの協業については「手続きの在り方、中身の検討をこれからしていく」と話した。朝日旅行の石森隆社長は「朝日新聞で宣伝を行い、参加者をリピーター化するビジネスモデルを展開してきたが、2013年からは赤字決算が続いた。17年からは構造改革を断行したが売り上げ減少に歯止めがきかなかった。債務超過に陥る前に清算を決断した」と会社清算の経緯を説明した。今後については「会をテーマにしたツアーがツアーグランプリを獲得するなど、価値ある旅を継承しなければならない。JTBとは、会をJTBガイアレックに引き継ぎ、深くつながる社員は再雇用してもらえるようにと話している」と語った。星会長は「スタンプ帳の事業は軌道に乗り、365日招待も定着してきた。ポイント全盛の時代だが、スタンプ帳ならではの役割を担っていく。ウェブ、人手不足、機械化なども対応していく」と方針を示した。

 18年度の事業報告では、スタンプ事業はスタンプ帳を新たに6万部作成し、招待宿泊(18年11月1日~19年10月31日)は1万398人、夏キャンペーン(19年6~9月)の「お得プラン」「とっておきプラン」に計34軒が参加し、約1440人が宿泊、宿泊総額が1890万円だったことなどを報告した。

 19年度の事業計画では、(1)スタンプ事業の推進(2)公式ウェブ予約での販売促進(3)地熱対策のための温泉観測報告の実施(4)公式ウェブ予約サイトのリニューアルに向けたソフト開発作業(5)環境省「新・湯治チーム」事業などへの参画―などを発表し、議論した。

 販売促進関連では、スタンプ事業は朝日旅行清算後もクーポン発券以外の変更は行わず、引き続き365日での招待受け入れを行う。ウェブ販売は、るるぶトラベルとの提携を継続し、サイト自体もスマートフォン化などリニューアルを進める方針を発表した。

 このほか、佐藤名誉会長から親会である「日本の旅文化を創る会」が3月31日付で散会することが発表された。


あいさつする星会長

 
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