日本旅行と日旅連が「観光シンポジウム」開催


講演・発言者と来場者による質疑応答

講演・発言者と来場者による質疑応答

 日本旅行(金井耿社長)と日本旅行協定旅館ホテル連盟(根津文博会長=北海道・御園ホテル)は1日、東京の椿山荘で第2回観光シンポジウム「日本“彩”発見!〜地産地食、地域の食文化」(経済産業省、観光経済新聞社など後援)を開いた。地域の魅力ある食文化を発掘、旅行商品化し、各地の誘客促進につなげようとの趣旨で開催したもので、全国の日旅連会員、地方自治体の観光関係者など約500人が参加。識者による講演を聞いて食と観光に関する知識を深めたほか、新しい食の開発事例を3地域が発表。一般来場者に向けての試食会も行い、各地の名産品をPRした。

 シンポジウムは日本旅行の創業100周年記念事業として昨年11月1日、同社の創業記念日に初めて開催。今年も同日に行われた。同社は「健康」「環境」「オンリーワン」の3つを主題にした旅行商品の開発を進めており、今回のシンポジウムではオンリーワンの「食」にスポットを当てた。

 シンポでは、日本料理アカデミー副理事長で、京料理「たん熊北店」代表取締役の栗栖正博氏が「郷土料理振興のために」と題して講演。栗栖氏は「料理は時代とともに変わるべきもの。郷土料理も現代風にアレンジしなければならない」と持論を展開。その上で「経営者は料理人に新しい料理を研究するための時間と場所を与えてほしい。日本料理振興のために協力をお願いしたい」と参加した旅館経営者らに訴えた。

 特別発表として、経済産業省の志村務・商務情報政策局参事官が「観光・集客サービスの需要の拡大と競争力の向上」と題して講演。運輸省出身で、観光部旅行振興課補佐官も務めた志村氏は、国内の宿泊旅行が減少傾向にある現状を指摘し、「それぞれの観光地が観光資源を差別化し、戦略を立てることが必要」「どのような客層を相手に商売をするのか、マーケティングが必要だ」などと説いた。

 日旅連の3地区から、それぞれが進める新しい食の開発事例を紹介。関東支部連合会栃木支部(ホテルエピナール那須・田中健治氏)は佐野市に伝わる郷土食「耳うどん」、沖縄支部連合会(JALプライベートリゾートオクマ・北山修氏)はミネラルを豊富に含んだ自然海塩を使った料理「琉球美食」、新潟支部連合会(湯元庄屋和泉屋旅館・桜井太氏)は魚沼産コシヒカリを使った「けんさ焼き」を宿泊客に提供するプランを発表。日本旅行の国内企画商品「赤い風船」などでの商品化を目指すとした。

 シンポに先駆けて日本旅行の一般顧客などを招待して「食彩フェスティバル」と題する郷土食の試食会が行われた。日旅連12支部連合会がブースを設け、それぞれの名物料理や新しく開発した郷土料理を紹介。来場者に試食を楽しませた。

 日旅連営業推進委員会の新谷尚樹代表委員(岐阜県・高山グリーンホテル)は「きょうお持ちしたのはおいしいもののほんの一部。ぜひ実際に旅をして、地域の旬のものを味わっていただきたい」と来場者に呼び掛けた。

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