成田国際空港会社は11月28日、訪日ムスリム(イスラム教徒)観光客の受け入れ対応を強化すると発表した。国内の空港では、すでに関西国際空港や新千歳空港がムスリム教徒対応について、ソフト、ハード両面での整備を進めている。日本の玄関口の成田空港が本格的に整備に乗り出したことで“ムスリムの奪い合い”とも言える国内空港間の競争が激しくなってきた。
同社によると、旅客ターミナルビル内の既存の礼拝施設2カ所の名称を「サイレンスルーム」からより分かりやすい「礼拝室」に変更し、来年1月にお清め用の水場を設置する。さらに、来年夏までに礼拝施設2カ所を新設する。
ハラール(ハラル)食品・料理の提供も始める。今月から有料待合室利用者を対象に、国際線機内食向けハラール専用キッチンを備えている給食業者2社が「ハラールミール」のケータリングサービスを始めた。オードブルやサンドイッチの盛り合わせなどを用意している。来年夏までには旅客ターミナルビル内に「ハラール認証レストラン」を導入する。
空港スタッフに対しては19日、ムスリムについての理解を深め、きめ細かいサービスとおもてなしにつなげることを目的に、ムスリムの戒律や生活習慣に関する研修を実施する。対象者は空港で勤務する全てのスタッフ約150人。研修には日本アセアンセンターの職員が担当する。