織田信長が客人をもてなすためにふるまったとされる料理を再現した「信長おもてなし御膳」の披露会が18日、岐阜県岐阜市内のホテル、旅館7館で開かれた。
地元戦国武将の信長を観光振興に生かそうと、地域活性化に取り組むぎふまちづくりセンターが、岐阜長良川温泉旅館協同組合とともに企画した。
各ホテル、旅館は4月、史料を基に172品目の料理を当時の調理方法にこだわって再現した。今回は、各館の料理長がこれらの料理を懐石風にまとめて自館で提供し、センターの会員らが試食した。
このうち、十八楼(伊藤善男社長)では、蒸し鮑(あわび)や焼き鮎など16品のおかずを中心とした懐石料理を出品した。試食には地元の公務員や銀行員ら10人が出席。「素材の良さがよくわかる」「彩りがよい」などと感想を述べていた。
披露会に立ち会った水野宏支配人は、「当時簡単に手に入った食材が現在では手に入らなかったり、逆に現在一般的な調味料が当時無いなど、再現には多くの苦労があった」と話す。
このため、各館の料理長は、当時のまま再現するのではなく、現代風にアレンジした懐石料理を生み出した。十八楼でも、「雁汁」の食材を鴨に、「雉(キジ)こくし」(キジの焼き物)を地鶏に変更、当時使われていたと思われる素焼きの食器ではなく、秋らしい彩りを考えた華やかな食器を使った。
今後は試食した人の意見を参考にして、各館が独自に商品化を目指すことにしている。
十八楼が再現した「信長おもてなし御膳」