山形県は来春、地元の旅館組合や街づくりに取り組む組織などが地域の観光資源を活用して作った着地型観光プランのコンテストを開催する。地元の観光素材を発掘する動きを盛り上げ、地域活性化や観光振興につなげるのが狙い。投票により優秀作品を選び、モデルプランとして発表する。また商品化されたプランについては県が宣伝費を負担してPRをすることとしており、これにより旅行会社による商品化を後押ししたい考えだ。
コンテストの開催に先立ち同県は3日、プランの募集を始めた。募集するのは、山形県内を発着地、目的地とする、6〜9月催行の旅行プラン。旅行日数は自由で、日帰り、宿泊いずれでもよいが、山形県を訪れる人が比較的多い、仙台市をはじめとする宮城県の住民をターゲットにした商品であることが条件。また、旅行会社に卸す価格での値付けも応募の際に求める。
旅館組合やNPOなどの団体もしくは組織に限定して、コンテスト応募者を募る。行政や個人の参加は受け付けない。
応募締め切りは、来年2月9日。
応募プランは来年2〜3月中に発表会を実施する。発表会にアドバイザーとして参加する旅行会社の商品造成担当者が「行きたい」と思うプランに投票、上位作品はモデルプランとして県が紹介する。
また、投票の順位にかかわらず、旅行会社が募集プランの商品化を希望した場合にはプラン応募者と個別に商談し、商品化に取り組んでもらう。商品化した場合は県などが費用を拠出して仙台・宮城県向けフリーペーパー誌上などでプランの宣伝を行う考えだ。
同県では今年度、県内の観光関係者らを対象に着地型旅行商品づくりの説明会や学習会を開催したり、着地型旅行商品の売り場となるウェブサイト「やまがたツアープランなび」の整備を進めたりと、地元発信型の観光振興に向けた取り組みを行ってきた。コンテストもこの取り組みの一環。
同県観光振興課の丸山潔課長は、地域資源を磨きあげて付加価値を高めることの重要性と、意欲があっても旅行商品の販売経路やコスト面の問題がネックになっている現状を指摘した上で、「コンテストが地域資源の掘り起こしや発信につながれば」と期待する。