富士レークホテルなど4者の協議会、エコツーリズム大賞特別賞を受賞


可能な限り車いす利用者にも、現地でこそ感じられる体験を提供する

自然を生かす体験型アクティビティを開発

 富士レークホテル(山梨県富士河口湖温泉郷)など山梨県内4者が組織する富士北麓ユニバーサルアドベンチャーツーリズム協議会はこのほど、異業種連携による自然体験型アクティビティ開発などが評価され、第17回エコツーリズム大賞(環境大臣賞)の特別賞を受賞した。地元の自然を生かした同協議会の取り組みを、富士レークホテル・井出泰済社長による回顧とともに紹介する。

 同館は、コロナ禍で宿泊需要が著しく落ち込んでいた2020年6月、富士の国やまなし通訳案内士会(富士吉田市)と連携し、富士北麓の自然や文化を堪能できるワーケーション企画を開始。富士山や青木ケ原樹海などを舞台にしたエコツアー、河口湖でのカヌー体験など、地元の自然を生かしたアクティビティ造成にも注力した。

オリ・パラ選手に観光体験提供

 21年4月、両者が富士山アウトドアミュージアム(富士河口湖町)、ドローン事業者のArakura Drone(富士吉田市)を加え富士北麓ユニバーサルアドベンチャーツーリズム協議会(FUAT)を結成。同年7、8月には、東京オリンピック・パラリンピックの選手を受け入れた富士レークホテル館内の食事会場で、地元の魅力を感じるイベントを選手向けに実施。富士山5合目や青木ケ原樹海に協議会メンバーが直接赴き、無人航空機「ドローン」で同エリアを撮影した映像をモニターで配信するなど、工夫を凝らした観光体験を選手たちに提供した。「厳しい移動制限の中でも、少しでも選手たちにリラックスしてもらおうと考案した」と同館の井出社長は振り返る。同館は、障害などで移動が困難な旅行者を対象としたサービス提供も推進している。「例えば、車いす利用者の方々は、青木ケ原樹海に深く入り、針葉樹林の美しさや生物の息吹を直接感じることが難しい。だったら樹海の入り口ぎりぎりまで移動してもらい、そこからドローンを飛ばして映像を見ながら、限りなく近距離で樹海の魅力を感じてもらう方法もある」と井出社長。館内にリフト付きの広い貸し切り風呂や河口湖を望めるバリアフリールームを設置するなど、長きにわたりユニバーサルツーリズムに関連する取り組みを行う同館ならではのアイデアだ。

国内旅行向けにより一層注力

 今後について井出社長は、「国内旅行者向けのエコツーリズムの提供により一層力を入れていきたい」と意気込む。地元の自然を生かした体験型アクティビティを造成し、誰もが参加できるユニバーサル、域内を能動的に動いて魅力に触れるアドベンチャーの両側面から、さらに魅力的なエコツーリズムを造成、提案していく方針を示している。
可能な限り車いす利用者にも、現地でこそ感じられる体験を提供する
 
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