宿泊施設、大都市の稼働率が上昇


 観光庁はこのほど、宿泊旅行統計調査の2015年の年間値を発表した。宿泊施設の客室稼働率(速報値)は、全国平均が60.5%で前年に比べて3.1ポイント上昇した。都道府県別では、大阪府が85%、東京都が82%となるなど、大都市部やその周辺で稼働率が高い。大都市と地方には格差があるが、39都道府県が前年の稼働率を上回った。施設のタイプ別では、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルが調査開始(10年)以来、最高を記録した。

 大阪府は前年比4.2ポイント増の85.2%となり、全国で最高。東京都は同3.5ポイント増の82.3%で全国2位だった。続いて70%台は京都府、愛知県、千葉県。60%台は福岡県、沖縄県、神奈川県、埼玉県、広島県、石川県、宮城県、北海道、滋賀県の9道県だった。前年比では滋賀県が10.5ポイント増、石川県が8.8ポイント増と伸びが目立った。

 同年の延べ宿泊者数(速報値)は全国合計で前年比6.7%増の5億545万人泊。07年の調査開始以来では、過去最高を記録した。日本人の延べ宿泊者数は2.4%増の4億3908万人泊、外国人の延べ宿泊者数は48.1%増の6637万人泊だった。

 全体の86.9%を占める日本人の宿泊は、14年が消費増税の影響などで減少したため、その反動が表れているが、13年と比較しても1.5%増だった。観光庁は増加要因に、円安などによる海外旅行から国内旅行へのシフト、北陸新幹線の開業などを挙げている。外国人の宿泊は、訪日旅行者数が過去最高の1974万人を記録して大幅に伸び、全体に占める割合は前年から3.6ポイント増の13.1%に上昇した。

 地方ブロック別(運輸局別)の稼働率(カッコ内は前年比増減)を高い順に示すと、(1)近畿70.2%(5.0ポイント増)(2)関東68.2%(2.5ポイント増)(3)沖縄67.7%(5.7ポイント増)(4)北海道61.5%(3.7ポイント増)(5)中国59.0%(1.3ポイント増)(6)九州58.8%(2.5ポイント増)(7)中部56.8%(4.7ポイント増)(8)東北53.0%(1.3ポイント増)(9)四国51.8%(1.2ポイント増)(10)北陸信越43.6%(3.6ポイント増)。

 宿泊施設のタイプ別に見ると、シティホテルが前年比2.6ポイント増の79.9%、ビジネスホテルが同3.0ポイント増の75.1%、リゾートホテルが同3.3ポイント増の57.3%、旅館が同2.6ポイント増の37.8%といずれも上昇した。

 特に大阪府ではリゾートホテルが91.4%、シティホテルが88.1%、ビジネスホテルが87.8%に達した。東京都はビジネスホテルが86.3%、シティホテルが83.8%に上った。

 シティホテルが80%台に達した都道府県は大阪府、東京都のほか、埼玉県、千葉県、神奈川県、石川県、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県、沖縄県。ビジネスホテルの80%台は大阪府、東京都のほか、神奈川県、京都府、兵庫県だった。

 旅館について見ると、最高だったのは東京都の61.5%。続く50%台は石川県(53.6%)、大阪府(50.7%)、愛媛県(50.4%)、京都府(50.3%)、佐賀県(50.2%)の5府県。40%台は北海道、青森県、宮城県、群馬県、神奈川県、静岡県、和歌山県、山口県、長崎県、熊本県の10道県だった。

 
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