大阪観光局は11月1日、大阪観光大学(大阪府熊取町、山田良治学長)と共同で、観光リカレントプログラム「ツーリズム・エンパワーメント・リーダー養成課程」を開講する。ポストコロナ時代の観光産業をけん引する30人を講師に迎え、観光地経営戦略や観光地マーケティングなどの講義やフィールドワークを実施。日本の観光を担う総合力を持つリーダーの育成を目指す。
同プログラムは同大学が主催する履修証明プログラム。昨年度、観光庁事業で開発したプログラムに大阪観光局の観光データプラットフォーム「大阪観光DMP」を活用した、マーケティング施策の策定方法などの講座を組み込んだ。
オンライン講座や東京、大阪での対面集中講義、フィールドワークを通じて、観光庁策定の「観光地経営人材ガイドライン」に示された、(1)観光地経営戦略(2)現代の観光地経営の動向(3)観光地経営組織マネジメント(4)観光地マーケティング(5)地域観光のイノベーションと観光DX(6)観光地経営のアントレプレナーシップと事業開発―の6知識・技能について学ぶ。
講師陣は溝畑宏・大阪観光局理事長のほか、村山慶輔・やまとごころ代表、井口智裕・雪国観光圏代表理事など、インバウンドや観光地域経営、観光マーケティングに現場で携わるトップリーダー30人が務める。「大阪観光大のリカレント教育でNPSが高い講師陣を集めた」と同プログラムを担当する、小野田金司・大阪観光大特任教授。
修了者には履修証明書を交付するほか、講師の9割が加入する観光立国プラットフォーム(TEmPlat)に入会し、講師をはじめとする専門家とのネットワーキングや継続的な学習、ビジネスマッチングイベントへの参加ができるようにする。
開講に先立ち会見した溝畑理事長は、観光産業の給与水準の低さに触れ、「観光で100億円稼げるようになっていかなければ、優れた人材は定着しない。そのための第一歩としての人材育成プログラムだ。観光は地域の総合的戦略産業であり、あらゆる政策に精通し、横ぐしを刺して司令塔としてリードしていける人材が求められる。世界中から観光人材が集まって、大阪を登竜門として世界に出ていく場になるようにやっていきたい」と抱負を述べた。
開講期間は11月1日から来年の2月13日で、受講時間はオンライン、対面フィールドワーク、講座合計で60時間。部分受講も可能で、オンライン講座のみ、対面講座のみなど7コースを設ける。
履修資格は、大学卒業者もしくはそれに準ずる人で社会人経験2年以上の人。受講定員は20人を予定。書類審査とZOOMによる面接により受講生を決める。
受講料は全コース受講の履修証明プログラムが税別で15万円。部分受講の場合はオンライン講座が全10回3万円、対面講座が各1回1万5千~2万5千円。受講申し込みは、エントリーフォーム(https://qr.paps.jp/FM2v)からエントリーの上、願書をメールでinfo@jidmc.jpに送付する。申し込み期間は25日まで。