大日本印刷、宿泊施設内の書店開業支援サービスを提供開始 定山渓温泉の宿泊施設に1号店が開業


「定山渓第一寶亭留翠山亭」内に開業した「風呂屋書店」

 大日本印刷(DNP)はこのほど、宿泊施設など書店業以外の事業者に向けて、施設内での書店開業を支援するサービスを始めた。導入の第1弾として、定山渓温泉(北海道札幌市)の旅館「定山渓第一寶亭留(ほてる)翠山亭」で、本を購入したり、店内で読書を楽しめる空間「風呂屋書店」の開業を支援。店舗が今月19日に開業した。約2500冊の書籍をそろえ、宿泊客らを楽しませている。

 今回DNPが開始したサービスは、施設の価値やリピート率向上に取り組む書店以外の事業者に提案しているもの。出版関連事業で培ったノウハウを生かし、開業に向けての支援や、本の仕入れ、利益創出など、開業後の課題解決に向けた支援を行う。

 本を販売するための企画・運営業務をDNPが代行・支援する。書店のコンセプト設計やスペースデザイン(設計・施工)、選書、本や関連物販の仕入れ、本を通じたコミュニケーション施策など、サービス範囲が多岐にわたる。施設の業種や特性に応じてトータルコーディネートを行う。

 サービスの第1弾として、「定山渓第一寶亭留翠山亭」の書店開業を支援。19日、定山渓温泉唯一の書店として、「風呂屋書店」が同館内で開業した。

 「次はどこへいこう」「温泉とサウナ」「発想が生まれる」などのコーナーを設置。旅をテーマにしたり、人々の知的好奇心を刺激する本を中心に、約2500冊をそろえた。

 「風呂上がりの心地良い気分の中で気軽に本に親しんでもらう」「非日常をさらに味わってもらうよう、大人向けの絵本や写真集、インスピレーションが湧く本、定山渓の地域を題材にした本を多数用意した」と同社。

 本は書店ゾーンと館内のラウンジで購入前でも読める。施設ではソフトドリンクを販売。書店には宿泊者以外の一般客も料金を払えば入場できる。

 定山渓第一寶亭留翠山亭の布村英俊代表取締役は、「書店が減っている昨今、宿は本と触れ合える貴重な空間と考える。書店の魅力は、自分が普段選ぶものと違うものに出合える喜びを感じられるところ。リピーターのお客さまには、(旅館で本と触れ合えるという)いつもと違う感覚を伝えたい」とコメントしている。

 DNPは今後、サービス付き高齢者向け住宅、飲食店、オフィス、ビジネスラウンジ、リゾートマンションなど、旅館・ホテル以外の施設へもサービスを展開するとしている。

 「風呂屋書店」の詳細は、定山渓第一寶亭留翠山亭の公式ウェブサイト(https://jyozankei-daiichi.co.jp/article/5057)に掲載している。


「定山渓第一寶亭留翠山亭」内に開業した「風呂屋書店」

 
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