国交省成長戦略会議、休暇分散など重点に


 民間の有識者でつくる国土交通省成長戦略会議(座長=長谷川閑史・武田薬品工業社長)は13日、5月下旬にまとめる最終の政策提言に先立って、観光、航空をはじめとする5分野ごとの重点項目を公表した。観光分野では、「休暇取得の分散化の促進」などを盛り込んだ。

 休暇分散化については、「春や秋の大型連休の地域別設定など、休暇取得の分散化に向けた取り組みを検討・実施する。分散化実現の国民的合意を得るための普及・啓発を実施する」とした。

 同日に開かれた第11回会合後に会見した長谷川座長は「休暇分散化は観光だけのことととられがちだが、内需全体の拡大につながるものであることを会議で再確認した」と報告した。

 また、分散化の具体案について、座長代理を務める御立尚資・ボストンコンサルティンググループ日本代表は「アイデアは出ているが、観光立国推進本部の方で議論いただくこともある」と説明した上で、「むしろ具体案を通じてどう理解を得るか。コンセンサス獲得のプロセスをどう組み立てるのかが課題だ」と指摘した。

JNTOの体制強化 訪日誘致に成果主義
 観光分野の重点項目には、休暇取得の分散化の促進のほか、(1)訪日外国人3千万人を目指して〜海外プロモーションの抜本的改革(2)観光立国を支える人材の育成(3)「他分野との融合」と「地域の創意工夫」による新しい観光の推進──を挙げた。

 海外プロモーションの抜本的改革では、日本政府観光局(JNTO)の体制強化を提言。市場ごとの訪日旅行者数の数値目標に応じて、JNTOを中心に業務に携わる関係者に「ノルマ、報奨金など従来の行政にはなかった成果主義を導入」するよう提案した。

 人材育成では、宿泊施設での外国語接遇の強化など受け入れを担う人材の早期育成を重視。新しい観光の推進では、「もう1泊」につなげるため、文化、スポーツ、医療、クルーズなど他分野との融合による新しい観光アイテムを掘り起こすように求めた。

 このほか航空分野の重点項目には、羽田・成田両空港の発着回数の拡大(現状の約52万回から約75万回への増加)、アジアを最優先としたオープンスカイの推進、LCC(格安航空会社)の参入促進などを盛り込んだ。

 
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